いわて鋳造研究会

いわて鋳造研究会は、南部鉄器の産地として有名な岩手県奥州市を中心に、産学官連携で活動している鋳物企業の研究グループです。

TEL.0197-51-8666

〒023-0132 岩手県奥州市水沢羽田町字明正131

ニュース

令和元年度いわて鋳造研究会総会を行いました。

 6月17日(月)に、令和元年度いわて鋳造研究会総会を開催いたしました。

 

 

 

議事
承認第1号 平成30年度いわて鋳造研究会事業報告について
承認第2号 平成30年度いわて鋳造研究会収支決算報告について
  監査報告
議案第1号 令和元年度いわて鋳造研究会事業計画(案)について
議案第2号 令和元年度いわて鋳造研究会収支予算(案)について
議案第3号 役員の選出について
  その他

 

特別講演会 講師
鋳鉄製造工程管理の重要性と鋳造設備の予知保全 山田聡氏
(国立大学法人岩手大学 特任教授)

 

 総会は滞りなく進行し、平成30年度事業報告・収支決算報告及び、令和元年度事業計画(案)・収支予算(案)が無事承認、可決されました。

 また、今年度は任期満了に伴う役員改選が行われました。
佐藤庄一会長他4名は再任となった一方で、副会長では株式会社及精鋳造所の及川敬一代表取締役社長、幹事では株式会社水沢鋳工所の小野寺雄二課長、会計監事では有限会社前田合金鋳造所の前田亮一代表取締役社長が新たに加わった役員体制となりました。

(令和元年度 新役員)
会 長  佐藤 庄一  ㈱根岸工業所
副会長  及川 和也  ㈲筑摩水沢
副会長  及川 敬一  ㈱及精鋳造所
幹 事  前田 俊一  ㈲前田鋳工所
幹 事  狩野 和寿  岩手鋳機工業㈱
幹 事  及川 春樹  ㈲及春鋳造所
幹 事  小野寺 雄二 ㈱水沢鋳工所
会計監事 前田 亮一  ㈲前田合金鋳造所

 総会の後は、今年度から当研究会の技術顧問にお迎えした岩手大学の山田聡特任教授による、特別講演会を開催いたしました。
 山田特任教授は、定年退職されるまで株式会社アイメタルテクノロジー(現IJTテクノロジーホールディングス株式会社)に勤めておられましたが、まず最初に会社での職務内容や取り組んだ技術課題についてご紹介していただきました。
 そして次に、今回の主題である「工程管理」と「設備保全」について、基本的な考え方から高度な「予知保全」に至るまで、丁寧にご教授いただきました。
 不良対策は生産現場や工場を見直す絶好の機会であるため、その場限りで終わらせずにしっかり突き詰めて考えれば、他の製品でもその知見を生かすことができたり、工程の管理値そのものの見直しや設備改善の段階まで発展させることもできます。そのため、毎日小さな改善を積み重ねていくことが大事であると語られていました。

 特別講演会終了後には情報交流会を行い、講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。

 新年号「令和」の時代を迎え、いわて鋳造研究会も更に活動を進めて参ります。よろしくお願いいたします。

本研究会会員が、日本鋳造工学会の技術賞、日下賞、現場技術改善優秀賞を受賞しました。

 去る5月18日に千葉工業大学で行われた、日本鋳造工学会第173回全国講演大会において、㈱及精鋳造所 及川敬一氏、細川光氏が「技術賞」を、㈱水沢鋳工所 田村直人氏が「日下賞」を、㈱及精鋳造所 サークル「吉見塾2018」が「現場技術改善優秀賞」を、それぞれ受賞いたしました。

○技術賞
 (鋳造に関する材料、技術、設備などの独創的な開発に貢献し、顕著な業績を挙げた人物に与えられる賞)
 受賞者: 株式会社及精鋳造所 及川敬一氏、細川光氏
 受賞内容:「南部鉄器製造溶湯(高CE値)へのアンチモン(Sb)添加による機械部品製造技術の開発」

○日下賞
(鋳造に関する学問及び技術の進歩、向上あるいは本学会の発展に将来大きく寄与されると考えられる新進気鋭の人物に与えられる賞)
 受賞者: 株式会社水沢鋳工所 田村直人氏
 受賞内容:「高強度軽量球状黒鉛鋳鉄製鋳造品の研究開発」

○現場技術改善優秀賞
(各職場の生産工程における様々な技術改善の中で特に優れたものに与えられる賞)
 受賞者: 株式会社及精鋳造所 サークル「吉見塾2018」
      (細川光氏、千田和斗氏、千葉紘映氏、佐藤良氏、菊池直己氏)
 受賞内容:「生型ラインでのFC製カバーの押込み不良低減対策」

           

 

 

当研究会の技術顧問として、岩手大学の山田聡特任教授をお迎えしました。

 今年度から、岩手大学鋳造技術研究センター 水沢サテライトの山田聡特任教授を、当研究会の技術顧問としてお迎えしました。
 山田特任教授は、株式会社アイメタルテクノロジー(現IJTテクノロジーホールディングス株式会社)で研究開発部長、工場長、開発部門統括などを歴任された方です。
 昨年度で株式会社アイメタルテクノロジーを定年退職された後、岩手大学鋳造技術研究センター 水沢サテライトの特任教授に着任され、当研究会の技術顧問としてお迎えすることとなりました。

平成30年度いわて鋳造研究会成果発表会を行いました。

 3月18日(月)に、平成30年度いわて鋳造研究会成果発表会を開催いたしました。

 

 

 成果発表会では、この一年間の研究成果について各会員企業が報告、若手技術者を中心に活発な質疑応答や議論が行われました。

 

  発表内容 会員企業
1. 球状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすアンチモン添加の影響 ㈱及精鋳造所
2. 1カップ熱分析法による球状黒鉛鋳鉄用接種剤の選定 ㈱水沢鋳工所
3. 片状黒鉛鋳鉄に及ぼす窒素の影響 ㈱根岸工業所
4. 鋳造現場におけるアルミニウム合金溶湯品質の調査方法確立 ㈲前田合金鋳造所
5. コールドボックス法から有機CO2ガス法への変更 ㈲佐酉
6. 超音波探傷機による球状化率の判定 ㈲前田鋳工所
7. 生型鋳物砂組成を安定化させるための管理方法の検討 岩手鋳機工業㈱
8. 自硬性鋳型に使用する金枠の強度及び構造の検討 岩手製鉄㈱
9. 3D技術を活用した鉄瓶ZAKU商品開発秘話 ㈱及富

 

 発表後には、岩手大学の小綿利憲特任教授に総評をしていただきました。
 各会員企業の発表について講評していただいた後、「将来、研究会の20周年記念誌に載せたり、学会誌に投稿することができるように、ぜひ発表を文章の形でも残してほしい」と話されていました。
 また、「研究会は参加企業のための会であり、今後もそれぞれの企業のためになる研究を積極的にしてほしい」と激励をいただきました。

 

特別講演会 講師
もうひとつの鋳鉄 麻生節夫氏
(国立大学法人秋田大学大学院 理工学研究科
   物質科学専攻 材料理工学コース 教授)

 

 成果発表会の後は、国立大学法人秋田大学の麻生節夫教授を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
 始めに麻生教授のこれまでのご経歴について、その後は主に専門分野である「白鋳鉄」についてのご講演をしていただきました。
 鋳鉄の中での白鋳鉄の分類、機械部品に使われる高クロム白鋳鉄の特徴と機械的性質、麻生教授のこれまで行ってきた共同研究などの内容をお話しされました。
 また、麻生教授は今年度で秋田大学を定年退職されますが、来年度からは岩手大学鋳造技術研究センター 水沢サテライトの客員教授に着任され、当研究会の技術顧問として、これからお世話になることになります。

 特別講演会終了後は情報交流会を行いましたが、当研究会の技術顧問として5年間にわたりお世話になった岩手大学の中澤友一特任教授が、今年度で任期満了につき退職されるということで、花束を贈り、退任のごあいさつをいただきました。
 
 今年度は、日本鋳造工学会東北支部大会への開催協力、会員の大平賞受賞など、東北の中で当研究会の存在感を発揮することのできた一年となりました。
 来年度も、いわて鋳造研究会をよろしくお願いいたします。

本研究会会員の現場技術改善事例が学会誌に掲載されました。

 日本鋳造工学会誌『鋳造工学』第90巻 第12号(平成30年12月15日発行)において、本研究会会員の㈱及精鋳造所の現場技術改善事例が掲載されました。

○現場技術改善事例「生型ラインでのFC製カバーの押込み不良低減対策」
㈱及精鋳造所 サークル名:吉見塾2018
細川 光、千田 和人、千葉 紘映、佐藤 良、菊池 直己
『鋳造工学』第90巻 第12号 (2018) P740-742

平成30年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を行いました。

 12月12日(水)に、平成30年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を開催いたしました。

 

 

 第2回中間報告会では、各会員企業が、設定した研究課題に関するここまでの進捗状況、行った実験の結果や3月までの予定等について報告し、活発な質疑応答や議論が行われました。
 今後は、各会員企業が技術アドバイザーの指導を受けながら、3月の成果発表会に向けて研究のまとめに取り組んでいきます。

 

  発表内容 会員企業
1. 球状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすアンチモン添加の影響 ㈱及精鋳造所
2. 1カップ熱分析法による球状黒鉛鋳鉄用接種剤の選定 ㈱水沢鋳工所
3. ブリケットを用いたキュポラ溶解における窒素の影響 ㈱根岸工業所
4. 鋳造現場におけるアルミニウム合金溶湯品質の調査方法確立 ㈲前田合金鋳造所
5. 超音波探傷機による球状化率の判定 ㈲前田鋳工所
6. 生型鋳物砂組成を安定化させるための管理方法の検討 岩手鋳機工業㈱
7. 自硬性鋳型に使用する金枠の強度及び構造の検討 岩手製鉄㈱

 

特別講演会 講師
日本鋳造工学会の取組みと中小鋳物企業の飛躍に向けて
 ―未来のものづくりを考える
   ロボットとIoT・AIの融合によるものづくり―
清水一道氏
(国立大学法人室蘭工業大学
       大学院工学研究科 教授)
(公益社団法人日本鋳造工学会 副会長)

 

 中間報告会の後は、国立大学法人室蘭工業大学教授の清水一道氏を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
 まず、北海道の大学は鋳造分野を含め、再編・統合に向けた動きがあることや、北海道の鋳造企業数も年々減少傾向にある、といった北海道の鋳造業界の現状について説明していただきました。
 このような中で、人や仕事を道外から呼び込むためには、全国区で注目されるような取り組みをどんどん行っていかなければならないと話されていました。その一例として、室蘭工大が冬季オリンピック競技「スケルトン」で使用するそりを、クラウドファンディングで資金を調達し開発したことなど、地域活性化のための地元と密着した積極的な取り組みを紹介していただきました。
 その他にも、鋳造プロセスへのX線CTの適用、鋳造工場のIoT化の事例や、産官学金連携で行っている「ものづくり目利き塾」等の人材育成の取り組み、また以前にもご講演をしていただいた「鋳物シンジケート」や「シップリサイクル」についても、その後の現状報告をしていただきました。
 ものづくりにおいて大切なのは、能力・環境・モチベーション、そしてなにより「熱」であること、「熱」は高い所から低い所に流れるので、良い人や仕事を呼び込んで企業が飛躍するためには熱い情熱と信念を持つことが大切である、ということを「熱く」語られていました。

 特別講演会終了後には情報交流会を行い、講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。

 

平成30年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を行いました。

 9月12日(木)に、平成30年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を開催いたしました。

 
 第1回中間報告会では、今年度の研究テーマの内容やここまでの進捗状況について報告を行いました。
 今後は、各社が技術アドバイザーの指導を受けながら、12月の第2回中間報告会、そして3月の成果発表会を目指して研究を進めていきます。

 

発表内容 企業
1. 球状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすアンチモン添加の影響 ㈱及精鋳造所
2. 1カップ熱分析法による球状黒鉛鋳鉄用接種剤の選定 ㈱水沢鋳工所
3. 片状黒鉛鋳鉄に及ぼす窒素の影響 ㈱根岸工業所
4. 鋳造現場におけるアルミニウム合金溶湯品質の調査方法確立 ㈲前田合金鋳造所
5. 超音波探傷機による球状化率の判定 ㈲前田鋳工所
6. 生砂組成を安定化させるための管理方法の検討 岩手鋳機工業㈱
7. 自硬性鋳型に使用する金枠の強度及び構造の検討 岩手製鉄㈱
8. 機械加工課不良低減活動 ㈱シグマ製作所

 

特別講演会 講師
鋳物工場における設備管理と設備更新事例 宮西義明氏
(㈱アイメタルテクノロジー 北上工場
         奥州製造部 部長付)
(前東北三和金属㈱ 顧問)

 

 中間報告会の後は、株式会社アイメタルテクノロジー北上工場 奥州製造部 部長付(前東北三和金属株式会社 顧問)の宮西義明氏を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
 「設備は製造業にとって最も大切なリソースの一つであり、壊れてから修理するのではなく、点検整備を施して常に信頼性の高い状態で機能させることが重要である」という考えに立った設備管理=保全をテーマとした講演となりました。
 保全の基本理念の説明から、清掃・点検等の日常的な保全活動で気を付けること、長期的な視点での備え方、故障の実例とそこから学んだことの紹介など、とても詳細で網羅的な内容を、具体例も交えつつ講義していただきました。
 またあわせて、省力化・省人化のために一部の工程を自動化した事例や、今後の計画についても紹介していただきました。

平成30年度いわて鋳造研究会総会を行いました。

 6月27日(水)に、平成30年度いわて鋳造研究会総会を開催いたしました。

 

 

議事
承認第1号 平成29年度いわて鋳造研究会事業報告について
承認第2号 平成29年度いわて鋳造研究会収支決算報告について
監査報告
議案第1号 平成30年度いわて鋳造研究会事業計画(案)について
議案第2号 平成30年度いわて鋳造研究会収支予算(案)について
その他

 

 総会は滞りなく進行し、平成29年度事業報告・収支決算報告及び、平成30年度事業計画(案)・収支予算(案)が無事承認、可決されました。

 

特別講演会 講師
鋳物用ベントナイトの機能
      及び今後の砂管理手法
阿部清貴氏(クニミネ工業株式会社
      ベントナイト事業部 素形材センター長)

 

 総会の後は、クニミネ工業株式会社素形材センター長の阿部清貴氏を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
 まず、ベントナイトの種類や生砂の特性と試験方法など基礎的な部分から、工場での実践的な砂管理方法へと進み、砂の状態が変動するメカニズム、主な要因とその対処法、添加剤の適切な投入量などを、実際のデータも交えて分かりやすく教えていただきました。
 そして、今後の砂管理手法は、人の感覚によるものから、ライン砂の「見える化」によるデータ管理へと移行していくと語られていました。
 また、本研究会を構成しているような、小ロット・国内向けの中小鋳物工場は、大ロットの大企業と比べ、実は変動が少なく安定しているのが強みであること、大企業では何か問題があっても工程全体を見直すというのが難しいが、中小企業ならすぐに現場や他工程と打ち合わせして改善できることなどを挙げられていました。
 さらに、「鋳物=男の職場」という考えを捨てて女性も働きやすい環境作りをすること、コストではなく品質で競争力を付けることなど、我々が今後生き残っていくための、様々な有益なアドバイスをいただきました。

 特別講演会終了後には情報交流会を行い、講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。

公益社団法人日本鋳造工学会東北支部第47回岩手大会が行われました。

 4月17日(火)~18日(水)に、公益社団法人日本鋳造工学会東北支部第47回岩手大会が、奥州市鋳物技術交流センターにて開催されました。
 日本鋳造工学会東北支部では、事業報告・収支報告や事業計画の審議をするために、毎年東北各県持ち回りで支部大会を開催しており、今回は岩手県が開催地となりました。
 今大会では、地元開催ということで本研究会が運営に全面的に協力することになり、本研究会の佐藤庄一会長が実行委員長となり、若手メンバーを含めた本研究会会員が当日の係員となって、東北各地からの参加者の皆さんをもてなしました。

 

 

 また、支部大会では、支部会員の表彰式、講演会、工場見学会も行われました。
 そのうち、平成30年度各賞表彰式では、本研究会の及川勝比古副会長(㈱水沢鋳工所)が大平賞を受賞しました。

 今回は東北各県から計76名の参加者があり、本研究会会員もさまざまな情報交換をすることができ、大変有意義な機会となりました。
 4月から幸先の良いスタートを切ることができました。
 今年度も本研究会をよろしくお願いいたします。

平成29年度いわて鋳造研究会成果発表会を行いました。

 3月15日(木)に、平成29年度いわて鋳造研究会成果発表会を、水沢グランドホテルにて開催いたしました。

 

 

 成果発表会では、この一年間の研究成果について各会員企業が報告、若手技術者を中心に活発な質疑応答や議論が行われました。
 また、それに加えて今回は「話題提供」という形での発表も行われました。

 

発表内容 会員企業
1. ねずみ鋳鉄の薄肉化に関する研究 ㈱水沢鋳工所
2. 合金添加による硬度の安定化 岩手鋳機工業㈱
3. 耐摩耗部材の材質検討 岩手製鉄㈱
4. 片状黒鉛鋳鉄に及ぼす窒素の影響 ㈱根岸工業所
5. 有機CO2ガス鋳型造型条件の妥当性検証 ㈲佐酉
6. 鋳込み重量の計測による入干不良対策と生産計画の合理化 ㈱及精鋳造所
7. 社内不良 歩留り改善 東北三和金属㈱
8. 国内産ベントナイトの特性評価 ㈲及春鋳造所
9. たたら製法によるケラを原材料にした鋳物試作の紹介 及源鋳造㈱
10. 新しいデザインと機能性を両立した鉄瓶の製品開発 ㈱及富
11. 低RE(高La)球状化剤を用いたダクタイル鋳鉄の機械的性質とヒケ性の把握 ㈱及泰

 

話題提供内容 会員企業
1. 話題提供 ㈲筑摩水沢
2. 自社での困りごと ㈱シグマ製作所

 

 発表後には、岩手大学の中澤友一特任教授に総評をしていただきました。
 「今年度は品質管理や工程改善に係わる発表が複数あったが、鋳造の管理項目は多岐にわたり、『出湯温度は測っていても鋳込温度は測っていない』など、会社ごとにばらつきがあると思うので、他社の発表を聞くことで自社を見直すきっかけにしてほしい」と話されました。
 また、「既に文献に出ている内容であっても、自社でそれを検証するということには意味があり、一緒に試験を行った社員と経験を共有することで、それが社員の成長にもつながるので、積極的に取り組んでほしい」と話されました。

 

特別講演会 講師
社会情勢を取り巻く鋳造関連の研究課題と取り組み 小綿利憲氏
(国立大学法人岩手大学 特任教授)

 

 成果発表会の後は、当研究会技術顧問で岩手大学特任教授の小綿利憲氏による、特別講演会を開催しました。
 小綿先生がこれまで取り組んでこられた研究の多くは、その時々の社会情勢と密接に関連したものです。
 具体的には、社会情勢の変化によって、日本の鋳造業全体に悪影響が出ればそれの解消に役立つ研究、鋳造業に対して社会的要請があればそれに対応するための研究などです。
 そこで、今回はそれらの中でも、以下の研究課題に関してご講演していただきました。
【課題①】自動車の軽量化・高強度化のための高マンガン鋼の研究
【課題②】原材料である鉄スクラップの品質変化対策としての材質改善の研究
【課題③】東日本大震災の被災自動車対策としての自動車リサイクル技術の研究
【課題④】希土類元素(レアアース)価格高騰対策としての脱希土類技術の研究
 また、「社会情勢の変化というのは、同様の変化が何度も繰り返しやってくるものなので、過去のデータを残しておくことが重要である」と述べられました。
 
 また、終了後には情報交流会を行い、成果発表や講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。
 
 今年度は、本研究会会員が日本鋳造工学会創立85周年特別功労賞、Castings of the Year賞を受賞するなど、本研究会にとって大変栄誉ある一年となりました。
 来年度も、いわて鋳造研究会をよろしくお願いいたします。

広報おうしゅう 平成30年1月本号にて、いわて鋳造研究会の活動が掲載されました。

 平成30年1月11日発行の『広報おうしゅう 30年1月本号』にて、「【特集】産学官連携が開く鋳物の未来 ――進化する技術・人――」と題して、いわて鋳造研究会の産学官連携活動のことを大きく取り上げていただきました。

広報おうしゅう30年1月本号
特集 P1-2
   P3-4

平成29年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を行いました。

 12月7日(木)に、平成29年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を、水沢グランドホテルにて開催いたしました。

 


 

 第2回中間報告会では、各会員企業が、設定した研究課題に関するここまでの進捗状況、行った実験の結果や3月までの予定等について報告し、活発な質疑応答や議論が行われました。
 今後は、各会員企業が技術アドバイザーの指導を受けながら、3月の成果発表会に向けて研究のまとめに取り組んでいきます。

 

発表内容 会員企業
1. ねずみ鋳鉄の薄肉化に関する研究 ㈱水沢鋳工所
2. 合金添加による硬度の安定化 岩手鋳機工業㈱
3. 耐摩耗部材の材質検討 岩手製鉄㈱
4. 片状黒鉛鋳鉄に及ぼす窒素の影響 ㈱根岸工業所
5. 有機CO2ガス鋳型造型条件の妥当性検証 ㈲佐酉
6. 低RE(高La)球状化剤を用いたダクタイル鋳鉄の機械的性質とヒケ性の把握 ㈱及泰
7. 鋳込み重量の計測による入干不良対策と生産計画の合理化 ㈱及精鋳造所
8. 国内産ベントナイトの特性評価 ㈲及春鋳造所
9. たたら製法によるケラを原材料にした鋳物試作の紹介 及源鋳造㈱
10. 社内不良 歩留り改善 東北三和金属㈱

 

特別講演会 講師
溶解ができなきゃモノづくりが始まらない 村田博敏氏(株式会社ナニワ炉機研究所 専務取締役)

 

 中間報告会の後は、株式会社ナニワ炉機研究所専務取締役の村田博敏氏を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
 明治時代に起こった産業の変化と鋳造の歴史、各種溶解炉の原理・特徴などの基礎的な部分から、自社で取り組まれている最先端の研究やプロジェクトまで、様々な実例を交えてご紹介していただきました。
 先日行われた第5回国際キュポラ会議の様子や、鋳造時のCO2削減のための様々な最新システム、バイオコークス製造装置、不純物除去装置など、エネファームのようなエネルギー循環の構築まで見据えた未来へのビジョンを語っていただき、参加者は皆大いに感銘を受けていました。

 特別講演会の後は、水沢鋳物工業協同組合との共催で、佐藤庄一氏『日本鋳造工学会創立85周年特別功労賞』並びに水沢鋳工所『Castings of the Year賞』受賞祝賀会を開催いたしました。
 佐藤庄一氏は当研究会の会長であり、水沢鋳工所代表取締役社長の及川勝比古氏は水沢鋳物工業協同組合の理事長であることから、両団体にとって大変おめでたい機会となり、多くの同業の方々で盛大にお祝いしました。

 

本研究会会員が、日本鋳造工学会創立85周年特別功労賞、Castings of the Year賞を受賞しました。

 去る9月30日に秋田大学で行われた、日本鋳造工学会第170回大会において、本研究会会長の佐藤庄一が「日本鋳造工学会創立85周年特別功労賞」を、㈱水沢鋳工所の「南部鉄器“極め羽釜”」が当年の最新技術を用いた優れた鋳物に与えられる「Castings of the Year賞」を、それぞれ受賞いたしました。

○公益社団法人日本鋳造工学会創立85周年特別功労賞
              株式会社根岸工業所代表取締役会長 佐藤庄一氏

受賞理由:学会の発展に尽力し、鋳造工学に関する学問・技術の進歩向上に指導的役割を果たした。
具体的内容:
・平成23~25年度のサポイン事業(経済産業省の産学官連携補助採択事業)の取り組み
 ・機械加工屑圧粉体(ブリケット)の再溶解技術の開発
 ・バイオコークスのキュポラ溶解技術の確立
・「いわて鋳造研究会」の会長(H23年度~)としての功績
・(H24.10)日本鋳造工学会第161回全国講演大会(盛岡大会)の実行委員として大会開催に貢献
・(H28.5)第72回世界鋳造会議(WFC2016)の募金委員として活躍 など

○Castings of the Year賞
 株式会社水沢鋳工所(代表者:及川勝比古代表取締役社長)『南部鉄器“極め羽釜”』

受賞理由:
 IH炊飯ジャー用鋳鉄製羽釜の開発について、購入者が受ける恩恵が大きく、また他の自社製品への発展性が認められ、鋳造業界の成長発展への寄与度が高いと評価されたもの。

平成29年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を行いました。

 8月22日(火)に、平成29年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を、奥州市鋳物技術交流センターにて開催いたしました。

 

 第1回中間報告会では、今年度の研究テーマの内容やここまでの進捗状況について報告を行いました。
 今後は、各社が技術アドバイザーの指導を受けながら、12月の第2回中間報告会、そして3月の成果発表会を目指して研究を進めていきます。

 

発表内容 企業
1. 鋳鉄の薄肉化限界について ㈱水沢鋳工所
2. 合金添加による硬度の安定化 岩手鋳機工業㈱
3. 耐摩耗部材の材質検討 岩手製鉄㈱
4. 片状黒鉛鋳鉄に及ぼす窒素の影響 ㈱根岸工業所
5. 有機CO2ガス鋳型造型条件の妥当性検証 ㈲佐酉
6. 低RE高La球状化剤を用いたダクタイル鋳鉄の機械的性質とヒケ性の把握 ㈱及泰
7. 鋳込み重量の計測による入干不良対策と生産計画の合理化 ㈱及精鋳造所
8. 社内不良 歩留まり改善 東北三和金属㈱
9. 国内産ベントナイトの特性評価 ㈲及春鋳造所
10. 企業紹介 ㈱及富
11. 超音波探傷機による球状化率の判定 ㈲前田鋳工所
12. AC7A材 炉前試験方法の検討 ㈲前田合金鋳造所

 

特別講演会 講師
インモールド黒鉛球状化処理法と鋳型内接種・注湯流接種 中澤友一氏
(国立大学法人岩手大学 特任教授)

 

 中間報告会の後は、当研究会技術顧問で岩手大学特任教授の中澤友一氏による、特別講演会を開催いたしました。
 中澤先生はこれまで、主にトラックや建設機械用鋳鍛造品の技術開発業務に携わってこられました。
 その中でも、新しい「技術・設備・管理手法」などを導入する取り組みを多くされてきたということで、今回はその経験から、インモールド黒鉛球状化処理法の原理・工程管理・品質保証の方法について、ご講演していただきました。
 また、鋳型内接種や注湯流接種、そして、それらを新たに会社に導入するときの注意点などについても、お話しいただきました。

鋳物シンジケート講演会を行いました。

 8月3日(木)に、鋳物シンジケート講演会を、奥州市鋳物技術交流センターにて開催いたしました。

 鋳物シンジケートとは、室蘭工業大学が中心となって作る、鋳物関連の中小企業のネットワークのことです。
 このプロジェクトを主導するのは、昨年9月の特別講演会でも講師をつとめていただきました、室蘭工業大学の清水一道教授です。
 いわて鋳造研究会としても今後関わることになるであろう、この「鋳物シンジケート」プロジェクトの構想と現在までの取り組みについて、清水教授に講演していただきました。

演題 講師
鋳物シンジケートプロジェクトの取り組み 清水一道氏(国立大学法人室蘭工業大学 教授)

 

 通常、大企業からの大量の発注には、個々の中小鋳物企業では生産能力が足りず、たとえ技術力があっても受注することは困難です。
 そこで、中小鋳物企業の連携による「鋳物シンジケート」を構築し、大学の支援による技術・品質の均一化を実現することによって、大量発注に対応しようとするものです。
 室蘭工業大学は、研究開発や技術指導と、製品の品質保証の役割を担うものであること、また、特に高付加価値製品である耐熱耐摩耗部品の受注を目指す取り組みであるということなどについても、ご講演していただきました。
 同じ立場の中小企業である研究会の会員企業にとっても本講演は大変興味深く、皆熱心に耳を傾けていました。

 講演会の後は懇親会を行い、講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。

 

 

 

平成29年度いわて鋳造研究会総会を行いました。

 6月21日(水)に、平成29年度いわて鋳造研究会総会を、水沢サンパレスホテルにて開催いたしました。

 

 

議事
承認第1号 平成28年度いわて鋳造研究会事業報告について
承認第2号 平成28年度いわて鋳造研究会収支決算報告について
監査報告
議案第1号 平成29年度いわて鋳造研究会事業計画(案)について
議案第2号 平成29年度いわて鋳造研究会収支予算(案)について
議案第3号 役員の選出について
その他

 

特別講演会 講師
失敗が教えてくれたこと 山田元氏(盛岡工業クラブ専務理事
     前美和ロック株式会社盛岡工場長)

 

 総会は滞りなく進行し、平成28年度事業報告・収支決算報告及び、平成29年度事業計画(案)・収支予算(案)が無事承認、可決されました。

 また、今年度は任期満了に伴う役員改選が行われました。佐藤庄一会長はじめ旧役員7名全員が再任され、加えて幹事には新たに有限会社及春鋳造所の及川春樹取締役専務が就任することとなりました。

(平成29年度 新役員)
会 長  佐藤 庄一  ㈱根岸工業所
副会長  及川 勝比古 ㈱水沢鋳工所
副会長  及川 和也  ㈲筑摩水沢
幹 事  前田 俊一  ㈲前田鋳工所
幹 事  及川 敬一  ㈱及精鋳造所
幹 事  狩野 和寿  岩手鋳機工業㈱
幹 事  及川 春樹  ㈲及春鋳造所
会計幹事 及川 篤   ㈱及泰

 総会の後は、講師として盛岡工業クラブ専務理事で、美和ロック株式会社盛岡工場元工場長の山田元氏をお招きし、特別講演会を開催いたしました。
 まず、「営業」から教えられたこととして、自社製品を売ることだけに固執せず、顧客のニーズに広く応じるために他社とも連携していくことが、業界全体のレベルアップ、ひいては自社の利益増にもつながることと学んだと語られました。
 また、そのほか「不良」や「経営」から学んだことなども、具体的な経験に基づいてお話しいただきました。
 また、そこから若手社員の教育論的な内容にも発展していき、若手に慕われる山田氏のお人柄が感じられる内容でした。
 そして、最も印象に残ったのは、仕事が決まる最後の決め手は「この人と一緒に仕事がしたい」と思われることだというお言葉でした。

 特別講演会終了後には情報交流会を行い、講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。

 いわて鋳造研究会は、今年度も新体制の下で更に活動を進めて参ります。よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

平成28年度いわて鋳造研究会成果発表会を行いました。

 3月9日(木)に、平成28年度いわて鋳造研究会成果発表会を、水沢グランドホテルにて開催いたしました。

 

 

 成果発表会では、この一年間の研究成果について各会員企業が報告、活発な質疑応答や議論が行われました。
 また、それに加えて今回は「話題提供」という形での発表も行われました。

 

発表内容 会員企業
1. 片状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすSb(アンチモン)添加の影響 ㈱及精鋳造所
2. ヒケ特性の把握 ㈱及泰
3. フラン自硬性における球状化不良に対する塗型剤の影響 水沢鋳工所
4. 接種と合金元素添加によるキュポラ溶湯の炉前での材質変更 ㈱根岸工業所
5. シェル中子造型条件の妥当性検証試験 ㈲佐酉
6. キュポラロングキャンペーン(炉修後操業期間の延長) 東北三和金属㈱
7. 塗型剤変更による問題改善 岩手鋳機工業㈱
8. 工程分析を使ったフラン造型作業の改善 ㈲前田鋳工所
9. 鋳造シミュレーションの解析結果と実製品の比較検討 岩手製鉄㈱
10. 後付けセンサーによる工場管理 ㈲前田合金鋳造所
11. ホーロー処理した球状黒鉛鋳鉄の泡欠陥に及ぼす表面組織の影響 ㈲及春鋳造所
12. 工芸品の材質管理 及源鋳造㈱

 

話題提供内容 会員企業
1. 話題提供 ㈲筑摩水沢
2. 会社紹介と現在の取り組みについて ㈱シグマ製作所

 

特別講演会 講師
“南部鉄器 極め羽釜”製造秘話 田村直人氏(株式会社水沢鋳工所 品質管理課長)

 

 発表後には、岩手大学の中澤友一特任教授に総評をしていただきました。
 研究テーマは多岐にわたっていたが特に材質系の発表が興味深かった、と評価していただきました。
 また、他社の研究テーマでも、自社にとっても有益と考えられるものであれば、積極的にその再現実験を行うのも良い、それで結果が異なった場合はその会社特有の条件があると気づくことができるし、参考になる部分は大いに真似をして高め合っていってほしい、と述べられていました。

 

 成果発表会の後は、株式会社水沢鋳工所品質管理課長の田村直人氏による、特別講演会を開催いたしました。
 象印の大ヒット高級炊飯器「南部鉄器 極め羽釜」の内釜は、本研究会会員企業の水沢鋳工所が製造しており、その製品開発を行ったのが田村氏です。
 「内釜戦争」と呼ばれた当時の炊飯器業界で水沢鋳工所が製造することになった経緯、試作段階では形状の難しさから「巣」(内部に空洞ができる)の欠陥が多発し、様々な試行錯誤を行っていったこと、量産開始後も新たな課題が発生し、それをどうやって解決したか等のお話を熱く語っていただきました。
 試作を重ねていく中では、ある課題を解決するために変更した要素が別の部分に悪影響を及ぼしてしまったり、考えうる対策を全て実行しても結果が思わしくなく悩んだ時期もあったものの、視点を変えて今まで疑っていなかった要素を再検討することで突破口が開けたという話など、田村氏のものづくりに対する粘り強い姿勢や発想の柔軟性によってこの製品が完成したということがよくわかる講演で、このような田村氏の経験談に参加者それぞれが大いに心を打たれ、また共感するところもあったようでした。

 

 また、終了後には情報交流会を行い、成果発表や講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。
 今年度は、会員企業の新規加入や会員の博士号取得など、本研究会にとって実りある一年となりました。
 来年度も、いわて鋳造研究会をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成28年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を行いました。

 12月7日(水)に、平成28年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を、水沢サンパレスホテルにて開催いたしました。

 


 

 第2回中間報告会では、ここまでの進捗状況、行った実験の結果や3月までの予定等について各会員企業が報告、活発な質疑応答や議論が行われました。
 今後は、各会員企業が技術アドバイザーの指導を受けながら、3月の成果発表会に向けて研究のまとめに取り組んでいきます。

 

発表内容 会員企業
1. 片状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすSb(アンチモン)添加の影響 ㈱及精鋳造所
2. ヒケ特性の把握 ㈱及泰
3. フラン自硬性における球状化不良に対する塗型剤の影響 水沢鋳工所
4. ホーロー処理した球状黒鉛鋳鉄の泡欠陥に及ぼす表面組織の影響 ㈲及春鋳造所
5. 接種と合金元素添加によるキュポラ溶湯の炉前での材質変更 ㈱根岸工業所
6. 工芸品の材質管理 及源鋳造㈱
7. キュポラロングキャンペーン(炉修後操業期間の延長) 東北三和金属㈱
8. 塗型剤変更による問題改善 岩手鋳機工業㈱
9. シェル中子造型のQC工程図の整備 ㈲佐酉
10. 工程分析を使ったフラン造型作業の改善 ㈲前田鋳工所
11. 鋳造シミュレーションの解析結果と実製品の比較検討 岩手製鉄㈱
12. 後付けセンサーによる工場管理 ㈲前田合金鋳造所

 

特別講演会 講師
鐵のお話 堀江皓氏(国立大学法人岩手大学客員教授)

 

 中間報告会の後は、当研究会技術顧問で岩手大学客員教授の堀江皓氏による、特別講演会を開催いたしました。
 「鐵(てつ)のお話」と題して、「鐵」の語源や人との歴史的・文化的な関わり、鉄の金属としての特徴、宇宙の歴史の中でどのようにして鉄が誕生したか等、鉄に関する幅広い内容を講演していただきました。
 また、地球表面だけを見ると地球は「水の惑星」ですが、内部を含めた全体を見ると地球は「鐵の惑星」であり、鋳造はそんな「鐵」を生業としているのだから、もっと誇りを持ってよいのではないかと語られていました。
 鋳物屋にとって鉄は身近なものですが、このような観点からのスケールの大きな話は新鮮に感じられ、参加者一同興味深く耳を傾けていました。

 また、終了後には情報交流会を行い、中間報告や講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本研究会会員で有限会社及春鋳造所取締役専務の及川春樹氏が工学博士の学位を取得され、記念の講演会・祝賀会を行いました。

 本研究会会員で、有限会社及春鋳造所の及川春樹取締役専務が、9月26日に社会人入学していた岩手大学より工学博士の学位を取得されました。
 これはいわて鋳造研究会、水沢鋳物工業協同組合としても初めてのことであり、当鋳物産地としても大変光栄なことです。
 同氏のご努力と栄誉を称えるとともに今後のご活躍を祈念して、10月19日(水)には水沢鋳物工業協同組合との共催で、記念講演会・祝賀会を開催いたしました。

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記念講演会
ホーロー処理した鋳鉄の泡欠陥対策に関する研究 及川春樹氏(有限会社及春鋳造所 取締役専務)

 

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 記念講演会では、岩手大学の堀江皓客員教授より学位の解説をしていただいた後、及川氏に学位論文「ホーロー処理した鋳鉄の泡欠陥対策に関する研究」について発表していただきました。
 ホーローは、鉄などの金属にガラス質の物質を高熱で焼き付ける技術で、耐蝕・耐熱性に優れ、光沢のある製品を作ることができます。
 しかし、鋳鉄にホーロー処理を行った場合、表面に細かい泡が生じて表面が滑らかに仕上がらない「泡欠陥」が発生することがあります。
 及川氏はこの泡欠陥の原因を、鋳鉄の表面組織との関係に着目して研究し、泡欠陥の原因となる黒鉛組織、泡欠陥の抑制に効果のある添加物を実験の積み重ねによって解明しました。

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 講演会の後は祝賀会を行い、多くの同業の方々で及川氏をお祝いしました。
 及川氏は岩手大学の指導者や鋳物関係者に感謝の言葉を伝え「この研究によって南部鉄器の商品構成の幅が広がり、地域の産業振興に寄与できれば嬉しい。博士号を取得したとはいえ、今はまだ車のドライバーで言えば若葉マークなので、これから成長していく姿を見せることが皆さんへのお返しになると思っている」と語られていました。

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