令和4年10月5日(水)14:00より、
令和4年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を
奥州市鋳物技術交流センター2階会議室で開催しました。
会場の様子
会員や顧問、アドバイザーなど24名が参加しました。
佐藤輝貴会長から
「いわて鋳造研究会は今年で20周年。
鋳造業界は材料費や電気代の高騰、人手不足などの問題がたくさんある。
一方、海外発注されていた仕事の日本への回帰で仕事の受注は盛況。
研究や勉強を行い、この転換期を乗り越えよう。」
との挨拶がありました。
特別講演会では「ICTの鋳造分野への応用」と題して
地方独立行政法人岩手県工業技術センター 電子情報システム部主査専門研究員
菊池 貴 氏にご講演いただきました。
講師の菊池貴氏
講演では県内企業へのICT導入事例について聞かせていただきました。
一般的に鋳造分野ではICT導入は難しいといわれていますが、
今回の発表内容には研究会のメンバー企業で行った事例もあり
また、手ごろな価格からチャレンジ出来そうとのことで
講演後も個別に質問をする様子が見られました。
講演会の後、本年度1回目の中間報告会を行いました。
今回の発表内容は以下の通りです。
1 岩手鋳機工業(株) 設備と不良の関係性について
2 (株)及精鋳造所 肉厚の異なる球状黒鉛鋳鉄の組織と機械的性質に及ぼすSn添加の影響
3 岩手製鉄(株) 自動造型ラインにおけるインライン球状化判定の方式更新検討
4(株)水沢鋳工所 中小企業再編成の必要性
発表の様子
今回は令和4年度の予定についての発表がメインでしたが
それぞれの知見から活発な議論が行われました。
発表の最後に、岩手大学客員教授(秋田大学名誉教授)の麻生節夫先生より
各社へのコメントと激励をいただきました。併せて、最近JIS規格の改定があった鋳鋼について情報提供いただきました。
また、今年度は新たに各社の鋳鉄材質検査を行うことにしました。
この検査は各社より鋳鉄のサンプルを集め、
奥州市鋳物技術交流センターにある装置を使い
溶湯の化学組成や強度試験などを行い材質を総合的に評価するものです。
この取り組みは研究会発足当時に行われていたましたが、
近年、材料や装置など変化してきていることにより再開することになりました。
検査を行うにあたり、
この検査の重要性や注目する点、
結果より得られるデータの見方など
岩手大学名誉教授の堀江皓先生より解説いただきました。
とても勉強になりました。
堀江皓 岩手大学名誉教授