いわて鋳造研究会

いわて鋳造研究会は、南部鉄器の産地として有名な岩手県奥州市を中心に、産学官連携で活動している鋳物企業の研究グループです。

TEL.0197-51-8666

〒023-0132 岩手県奥州市水沢羽田町字明正131

ニュース

令和5年度いわて鋳造研究会成果発表会・特別講演会を行いました。

令和6年3月21日(木)、水沢グランドホテルにて令和5年度いわて鋳造研究会
成果発表会・
特別講演会を行いました。

出席者は会員・顧問・アドバイザーの26名でした。

 

 

成果発表の内容は以下の通りです。 

テーマ 企業名
1 不良対策 岩手鋳機工業㈱
2 CB値試験片と抗圧力測定用標準試験片の
ばらつきについて
㈱及精鋳造所
3 鋳物廃砂の再利用について ㈲及春鋳造所
4 不良原因の分析 ㈲前田鋳工所
5 銅合金溶湯処理装置の効果確認 ㈲前田合金鋳造所
6 当社におけるDX導入の検討 岩手製鉄㈱
7 新商品フライパン“麻の”の開発 ㈱及富

 

 

今年度の集大成となる成果発表では7社からの研究発表があり、活発な質疑応答が
行われました。

発表後、岩手大学鋳造技術研究センター センター長・教授 平塚貞人氏から、
「今回の成果発表では皆さんの素晴らしい取組みが伺えました。研究会としての
活動が
成り立っている印象を受けます。改めて顧問・アドバイザーの先生方の
お力添えにも感謝します。」

との総評をいただきました。

 


岩手大学鋳造技術研究センター センター長・教授 平塚貞人氏

 

そして今年度の材質検査(砂試験)について、奥州市鋳物技術交流センター 副所長
大田彩子氏より、各企業の砂試験結果の報告を行いました。
定期的に砂の分析を行いデータの変動を把握することで、鋳物砂が起因する鋳造欠陥を
減らすことができるとの解説がありました。

 

奥州市鋳物技術交流センター 副所長 大田彩子氏

 

特別講演会では「鋳鉄の摩擦と潤滑」と題して、当研究会技術顧問の岩手大学
鋳造技術研究センター客員教授 秋田大学名誉教授 麻生節夫氏にご講演いただきました。

トライボロジーは摩耗や潤滑を包括的に含む科学であり、これに基づいた対策が
省エネによる経済効果に寄与する旨の説明の後、固体の表面と接触や摩擦などの
表面現象を踏まえて、摩耗の分類や潤滑のタイプについて解説されました。とくに、
固体潤滑剤である黒鉛の潤滑効果はその結晶構造に由来する説明がありました。
さらに、成長鋳鉄や合金鋳鉄の研究結果も紹介され環境に配慮したグリーン
トライボロジーの紹介と合金鋳鉄がこの分野で果たす可能性についても言及され
ました。

 

岩手大学鋳造技術研究センター 客員教授 麻生節夫氏

 

特別講演会終了後には情報交流会を行い、意見交換と共に親睦を深めました。

併せまして令和5年度をもって退任される麻生先生へ、感謝の気持ちを込めて
花束贈呈が行われました。

 

 

麻生先生には令和1年4月からの5年間、いわて鋳造研究会の技術顧問として
ご活躍いただきました。

これまでのご尽力に感謝いたします。

 

第6回会員企業工場見学会(有限会社前田合金鋳造所)を行いました。

令和6年3月7日(木)、第6回会員企業工場見学会を行いました。

今回の見学先は有限会社前田合金鋳造所です。

参加者は6社・技術アドバイザー・事務局の計17名でした。

 


 有限会社前田合金鋳造所HPはこちら

 

有限会社前田合金鋳造所は1971年(昭和46年)に創立し、銅合金鋳物・
アルミニウム合金鋳物を製造する、産業鋳物に特化した企業です。

工場見学会はいわて鋳造研究会 佐藤会長の挨拶から始まり、
前田合金鋳造所 前田代表取締役に企業概要および業務内容をご説明
いただいた後、工場内の生産工程(造形・溶解・鋳込み・仕上げ)

見学しました。

 

 

見学後に質疑応答の時間を設けましたが、見学中も活発な質疑応答が行われ、
熱心に耳を傾けている参加者の姿が見受けられました。

最後に岩手鋳機工業株式会社 高橋取締役製造部長から前田代表取締役にお礼の
言葉をお伝えし、工場見学は終了しました。

今回の工場見学会も大変有意義なものとなりました。

 

 

 

令和5年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会・特別講演会を開催しました。

令和5年12月14日(木)、水沢サンパレスホテルにて令和5年度いわて
鋳造研究会第2回中間報告会・特別講演会を
開催しました。

出席者は会員・顧問・技術アドバイザーの28名でした。

 

 

第2回中間報告の内容は以下の通りです。

テーマ 企業名
1 不良対策 岩手鋳機工業㈱
2 CB値試験片と抗圧力測定用標準試験片の
ばらつきについて
㈱及精鋳造所
3 当社におけるDX導入の検討 岩手製鉄㈱
4 不良原因の分析 ㈲前田鋳工所
5 新商品フライパン“麻の”の開発 ㈱及富
6 鋳物廃砂の再利用について ㈲及春鋳造所

 

 

 

 

 

 

中間報告では今年度の研究テーマの内容・現在の進捗状況が報告され、活発な
質疑応答が行われました。

発表後には岩手大学 特任教授 渋谷慎一郎氏から、
「各企業の素晴らしい取組みが拝見できて良かったです。研究成果をデータで残す
ことは、新入社員の教育に役立ちます。
ぜひこれからも研究を続けて欲しいと
思います。」
との総評をいただきました。

 

岩手大学 特任教授 渋谷慎一郎氏

 

そして今年度は、会員企業各社の砂の材質検査を行うことになっており、
奥州市鋳物技術交流センター 副所長 大田彩子氏より、各社の砂のデータ報告
および砂の文献紹介が行われ、砂の管理について助言も
いただきました。

 

奥州市鋳物技術交流センター 副所長 大田彩子氏

 

中間報告会終了後、講師に株式会社根岸工業所 生産管理部長 佐藤功児氏を
お招きし、「博士後期課程での研究内容のご報告」と題した特別講演会を
開催しました。

佐藤功児氏は、2022年9月に室蘭工業大学大学院工学研究科工学専攻を修了し、
博士号を取得されました。
今回の講演会では博士課程で研究した、「高マンガン片状黒鉛鋳鉄の機械的
性質に関する研究」についてご講演いただきました。

講演会の終わりには、
「皆様からの励ましの言葉が心の支えになり、博士課程を終えることができました。

ありがとうございました。」
と仰っていました。

 

講師の株式会社根岸工業所 生産管理部長 佐藤功児氏

 

特別講演会終了後には情報交流会を行い、意見交換と共に親睦を深めました。

 

 

今後は各会員企業が顧問・技術アドバイザーの指導を受けながら、3月の
成果発表会に向けて研究のまとめに取り組んでいきます。

 

 

 

(株)及富がいわてフード&クラフトアワード2023・クラフト部門で特別賞を受賞

当研究会の(株)及富が、いわてフード&クラフトアワード2023・クラフト部門で
特別賞を受賞しました。

今回クラフト部門で受賞した作品は「フライパン 麻の」です。

 

(株)及富 菊地 章 専務取締役と職人の小林 桜さん

 

いわてフード&クラフトアワードは、岩手県を代表する新たな特産品の開発を促進
するため、県内で開発・改良・製造された商品を対象とした、岩手県などが主催の
コンクールです。

 

★  いわてフード&クラフトアワード2023  実施要領  ★

★  いわてフード&クラフトアワード2023  受賞一覧  ★

 

 

平安時代から伝わる伝統的で美しい麻の葉文様が映える、南部鉄器の
和柄フライパンです。

 

 

食卓へそのまま出せる丁度いいサイズ感で、温かいものを温かいまま
食べてほしいという製作者の思いが込められています。

この度の受賞、誠におめでとうございます。

 

商品のお問い合わせはこちら→ ★(株)及富オンラインショップ  ★

 

 

(株)及富が第39回素形材産業技術賞 奨励賞を受賞

当研究会の(株)及富が第39回素形材産業技術賞  奨励賞を受賞しました。

それに伴い令和5年11月2日(木)、機械振興会館ホールで行われた授賞式に、
開発代表者の(株)及富 菊地 章 専務取締役および共同開発者の奥州市鋳物技術交流
センター
大田 彩子 副所長が参加しました。

本賞は優秀な技術開発により、日本の素形材産業の技術水準の進歩向上に著しく貢献
した開発者を表彰し、今後の進歩発展が大いに期待されるものです。

 

(株)及富   菊池 章 専務(株)及富  菊地章 専務取締役

 

 

 

この度の受賞、誠におめでとうございます。

 

 

令和5年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を開催しました。

 令和5年9月15日(金)に、奥州市鋳物技術交流センター2階会議室の会場にて、
令和5年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を開催しました。

 出席者は会員・顧問・技術アドバイザーなどの23名でした。



 
 今回の発表内容は以下の通りです。

No. テ  ー  マ 企 業 名
1 不良対策 岩手鋳機工業(株)
2 CB値試験片と抗圧力測定用標準試験片のばらつきについて (株)及精鋳造所
3 当社におけるDX導入の検討 岩手製鉄(株)
4 新商品フライパン「麻の」の開発 (株)及富

 

 

 第1回中間発表会では、発表企業が研究テーマの内容や進捗状況などを報告し、
活発な質疑応答が行われました。

 発表後には、岩手大学  客員教授  麻生節夫先生に総評をしていただき、
発表企業毎のコメントおよび
「研究テーマが、各社ともに現場に密着している印象を受けた。
次回の報告会が非常に楽しみ。大変だと思うが研究に励んでいただきたい。」
と、発表企業全体への激励をいただきました。

 

 

 そして、今年度は各会員企業の生型砂試験を行います。

 試験を行うにあたり、試験の重要性や注目する点、結果より得られるデータの見方
など、奥州市鋳物技術交流センター  副所長  大田彩子氏から解説をいただきました。

 


 今後は、各会員企業が技術アドバイザーの指導を受けながら、3月の成果報告会に

向けて研究のまとめに取り組んでいきます。

 

 

令和5年度いわて鋳造研究会総会を開催しました。

 令和5年6月28日(水)に、水沢グランドホテルの会場にて
令和5年度いわて鋳造研究会総会を開催しました。

 昨年度はコロナ感染予防対策のため書面開催としたため、
2年ぶりの対面による開催となりました。

 出席者は会員・顧問・技術アドバイザーの24名でした。

 

 

 

 【議 事
  承認第1号 令和4年度いわて鋳造研究会事業報告について
  承認第2号 令和4年度いわて鋳造研究会収支決算報告について
  監査報告
  議案第1号 令和5年度いわて鋳造研究会事業計画(案)について
  議案第2号 令和5年度いわて鋳造研究会収支予算(案)について
  議案第3号 役員の選出について


 総会は滞りなく進行し、令和4年度事業報告・収支決算報告および
令和5年度事業計画(案)・収支予算(案)が承認・可決されました。

 また、今年度は任期満了に伴う役員改選が行われました。
 投票の結果、旧役員8名全員が再任されました。

 

 【令和5年度新役員
  会   長  佐藤 輝貴  (株)根岸工業所
  副  会  長    及川 春樹  (有)及春鋳造所
         田村 直人  (株)水沢鋳工所
  幹   事  前田 亮一  (有)前田合金鋳造所
         及川 篤   (株)及泰
         姿 拓哉   岩手製鉄(株)
         高橋 一将  岩手鋳機工業(株)
  会計監事   前田 俊一  (有)前田鋳工所

 

 総会終了後には情報交流会を行い、意見を交換しながら親睦を深めました。

 

  

 

 令和5年度も、いわて鋳造研究会は更に活動を進めて参りますので
よろしくお願いいたします。

 

当研究会の技術顧問に渋谷慎一郎先生をお迎えしました

今年度から、

岩手大学ものづくり技術研究センター(鋳造技術研究センター) 水沢サテライトの渋谷慎一郎特任教授を、

当研究会の技術顧問としてお迎えしました。

渋谷特任教授は、

株式会社高周波鋳造(株)の製造部長・技術部長をされた方です。

今年の4月に岩手大学鋳造技術研究センター 水沢サテライトの特任教授に着任され、

当研究会の技術顧問としてお迎えすることとなりました。

いわて鋳造研究会設立20周年記念式典を開催しました

令和5年5月11日(木)15:00より、

いわて鋳造研究会設立20周年記念講演会・式典・祝賀会を

奥州市内のプラザイン水沢で開催しました。

 

会場の様子

 

15:00から開催した講演会に来賓や会員63名、

17:10からの記念式典には72名、

18:00からの祝賀会には70名が参加しました。

 

佐藤輝貴会長からは

「鋳造業界はめまぐるしい変化の中にいる。

今日はこれから先30年の節目と考え、

支援や協力を受けながら前へ進んでいきたい。」

との挨拶がありました。

佐藤 輝貴 会長

 

講演会の特別講演では以下の内容で2名の先生方にご講演いただきました。

 

室蘭工業大学教授・日本鋳造工学会会長 清水一道先生

「鋳造業の将来展望」

経済産業省 東北経済産業局 地域経済部 部長 小林 和昭氏

「素形材産業の現状と施策について」

清水 一道 先生

小林 和昭先生

 

続く式典では、20年間の活動報告と

研究会にご尽力いただいた方へ感謝状の贈呈を行いました。

感謝状の贈呈者は以下の通りです。

 

岩手大学 学長 小川 智 様

元岩手大学鋳造技術研究センター 特任教授 中澤 友一 様

元岩手大学鋳造技術研究センター 特任教授 勝負澤 善行 様

元岩手大学鋳造技術研究センター 特任教授 山田 聡 様

元奥州市鋳物技術交流センター 副所長 米倉 勇雄 様

前いわて鋳造研究会 会長 佐藤 庄一 様

 

代表として挨拶をした前いわて鋳造研究会会長 佐藤庄一氏は

「岩手の水沢は鋳物の一大産地。

そこにある本研究会は

大学や工業試験センターの力を借りて研究ができる恵まれた環境である。

これからも発展することを願っている。」

と述べられました。

佐藤 庄一 氏

令和4年度いわて鋳造研究会成果報告会・特別講演会を実施しました

令和5年3月16日(木)13:30より、

令和4年度いわて鋳造研究会成果報告会・特別講演会を

水沢サンパレスホテルで開催しました。

会場の様子

 

会員や顧問、アドバイザーなど23名が参加しました。

 

佐藤輝貴会長からは

「今年はいわて鋳造研究会の設立20周年式典が控えている。

電気代や材料費の高騰、人手不足、大手企業のベースアップなど

中小企業を取り巻く環境は厳しい。

しかし、研究を行うことで実力をつけ、

働く人に選んでもらえる魅力ある企業になろう。」

との挨拶がありました。

 

続いて、本年度から始めた材質試験についての最終報告が行われました。

当研究会の約10年前のデータと比較すると、

原材料比が変わったことから不純物元素が減り

機械的性質は同等、もしくは若干良くなっている事が分かりました。

 

本年度の成果報告会の発表内容は以下の通りです。

1  岩手鋳機工業(株) 設備と不良の関係性について

2  (株)及精鋳造所 肉厚の異なる球状黒鉛鋳鉄の組織と機械的性質に及ぼすSn添加の影響

3  岩手製鉄(株) 自動造型ラインにおけるインライン球状化判定の方式更新検討

4 (株)及富 生型鉄瓶の鋳造欠陥と対策

 

発表の様子

 

発表の最後に、総評として岩手大学特任教授の小綿利憲先生より

各社への研究会の活動へ激励をいただきました。

 

小綿 利憲 先生 

 

特別講演会では「よい鋳物を作るには、製造工程管理が大切」と題して

当研究会技術顧問の岩手大学鋳造技術研究センター 山田聡先生にご講演いただきました。

 

山田 聡 先生

 

データをグラフ化することで何がわかり、

それをどう生かすのかという考え方や

実際に先生が携われた実験事例などについて解説いただきました。

一つ一つ小さな改善を積み上げ

堅実な成果に結びつける事の大事さを

改めて実感しました。

令和4年度いわて鋳造研究会第回中間報告会・特別講演会を行いました

令和4年12月9日(金)14:00より、

令和4年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会・特別講演会を

奥州市鋳物技術交流センター2階会議室で開催しました。

会場の様子

 

会員や顧問、アドバイザーなど25名が参加しました。

 

佐藤輝貴会長は

「現在、部品不足や原材料の高騰など大変な中で操業をしていると思う。

電気代はこれからまた上がるし、値上げ交渉は来年もすることになるだろう。

それでも解決できない問題は人手不足。

研究をして、底上げをしていこう。」

との挨拶がありました。

 

続いて、本年度から始めた材質試験についての追加報告が行われました。

当研究会の約10年前のデータと比較すると、

現在の溶湯は不純物が減っているとのことでした。

 

本年度2回目の中間報告会の発表内容は以下の通りです。

1  岩手鋳機工業(株) 設備と不良の関係性について

2  (株)及精鋳造所 肉厚の異なる球状黒鉛鋳鉄の組織と機械的性質に及ぼすSn添加の影響

3  岩手製鉄(株) 自動造型ラインにおけるインライン球状化判定の方式更新検討

4 (株)及富 生型鉄瓶の鋳造欠陥と対策

 

発表の様子

 

発表の最後に、岩手大学教授の平塚貞人先生より

各社へのコメントと激励をいただきました。

 

特別講演会では「日本鋳造工学会第180回全国公演大会に参加して」と題して

当研究会技術アドバイザーの岩手大学鋳造技術研究センター 大田彩子氏にご講演いただきました。

講師の大田彩子 氏

 

全国講演大会の会場の様子や、

実際に南部鉄器に関して講演した内容を説明していただき、

大会の雰囲気を感じることができました。

また、講演の中で大会参加へのエールをいただき、

今後の研究活動の励みになりました。

令和4年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を開催しました

令和4年10月5日(水)14:00より、

令和4年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を

奥州市鋳物技術交流センター2階会議室で開催しました。

会場の様子

 

会員や顧問、アドバイザーなど24名が参加しました。

 

佐藤輝貴会長から

「いわて鋳造研究会は今年で20周年。

鋳造業界は材料費や電気代の高騰、人手不足などの問題がたくさんある。

一方、海外発注されていた仕事の日本への回帰で仕事の受注は盛況。

研究や勉強を行い、この転換期を乗り越えよう。」

との挨拶がありました。

 

特別講演会では「ICTの鋳造分野への応用」と題して

地方独立行政法人岩手県工業技術センター 電子情報システム部主査専門研究員

菊池 貴 氏にご講演いただきました。

講師の菊池貴氏

 

講演では県内企業へのICT導入事例について聞かせていただきました。

一般的に鋳造分野ではICT導入は難しいといわれていますが、

今回の発表内容には研究会のメンバー企業で行った事例もあり

また、手ごろな価格からチャレンジ出来そうとのことで

講演後も個別に質問をする様子が見られました。

 

講演会の後、本年度1回目の中間報告会を行いました。

今回の発表内容は以下の通りです。

 

1 岩手鋳機工業(株)   設備と不良の関係性について

2 (株)及精鋳造所 肉厚の異なる球状黒鉛鋳鉄の組織と機械的性質に及ぼすSn添加の影響

3 岩手製鉄(株) 自動造型ラインにおけるインライン球状化判定の方式更新検討

4(株)水沢鋳工所 中小企業再編成の必要性

 

発表の様子

 

今回は令和4年度の予定についての発表がメインでしたが

それぞれの知見から活発な議論が行われました。

 

発表の最後に、岩手大学客員教授(秋田大学名誉教授)の麻生節夫先生より

各社へのコメントと激励をいただきました。併せて、最近JIS規格の改定があった鋳鋼について情報提供いただきました。

 

また、今年度は新たに各社の鋳鉄材質検査を行うことにしました。

この検査は各社より鋳鉄のサンプルを集め、

奥州市鋳物技術交流センターにある装置を使い

溶湯の化学組成や強度試験などを行い材質を総合的に評価するものです。

この取り組みは研究会発足当時に行われていたましたが、

近年、材料や装置など変化してきていることにより再開することになりました。

 

検査を行うにあたり、

この検査の重要性や注目する点、

結果より得られるデータの見方など

岩手大学名誉教授の堀江皓先生より解説いただきました。

とても勉強になりました。

 

堀江皓 岩手大学名誉教授

 

(株)及富が2年連続おもてなしセレクション受賞

当研究会の(株)及富が2年連続でおもてなしセレクションを受賞しました。

おもてなしセレクションOMOTENASHI Selection 2022 第1期 受賞一覧

おもてなしセレクション「南部鉄器陰陽革ハンドル」

 

おもてなしセレクションは、日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品・サービスを発掘し、世界に広めることを目的に、2015年に創設されたアワードです。

おもてなしセレクションは、民間企業20社以上で運営しており、認定に際しては、日本在住の外国人有識者による現物審査を実施しています。

使う人を思いやる心から生まれたこだわりの技、伝統を継承しながらも現代に向けて改良を重ねる創意工夫の活動を「OMOTENASHI」「GLOBAL」の基準で評価。

「世界に発信したい“日本ならでは”の魅力にあふれている」と認められた対象を、おもてなしセレクション受賞商品・サービスとして認定しています。

※おもてなしセレクションHPより→こちらからどうぞ

 

今回(株)及富で受賞した作品は 「南部鉄器 陰陽 革ハンドル」

陰陽太極図をモチーフとしたデザインで

陽の部分は銀色の塗装、さらに梅がちりばめられています。

持ち手の部分は革を使用しており

結び目は日本刀の持ち手のように見えるよう工夫されています。

鉄瓶の持ち手は利用中に熱くなることがあるのですが

これならやけどの心配はありません。

オンラインショップに未掲載の場合もありますが

ご連絡いただければ対応します、とのことですので

ご興味のあるかたは直接お問合せください。

お問い合わせはこちらから→(株)及富オンラインショップ

 

令和3年度いわて鋳造研究会成果発表会をしました

令和4年3月16日(水)13:00より、

令和3年度いわて鋳造研究会成果発表会を開催しました。

 

今回はコロナ感染拡大防止対策としてホテル会場とオンラインでの

ハイブリッド開催となりました

会場の様子

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど24名でした。

 

佐藤輝貴会長は

「鋳造業界は人材不足が続いており

仕事はあるのに引き受けられない状況になっている。

また、材料費が高騰し、値上げ交渉をしても追いつけない。

今日の研究がそれらの問題をすぐ解決するものではないと思うが

研究を進める事が魅力ある会社づくりにつながり、

そこから人材の確保や材料費高騰の対策などになると信じて

研究を頑張っていこう。」

と語りました。

佐藤会長((株)根岸工業所 代表取締役社長)

 

今回の発表はすべてオンラインでした。

発表企業と内容は以下のとおりです。

1㈱及精鋳造所 非破壊検査による鋳鉄の材質評価方法の検討

2岩手鋳機工業㈱  球状化処理における Si値の上昇を抑える処理方法の模索

3(株)シグマ製作所 私たちが進めるPM活動

4岩手製鉄㈱ 薄肉ハウジング鋳物の表層における微細欠陥対策

5(株)及富 砂鉄銑鉄瓶の製造試験

 

発表件数は事情により少なめではありましたが

それぞれの特色が出ている発表となりました。

 

講演の最後に、奥州市鋳物技術交流センターの米倉勇雄副所長より

各社への総評をいただきました。

 

米倉副所長は令和3年度で退職されることも

併せて発表されました。

米倉奥州市鋳物技術交流センター副所長

 

米倉副所長は奥州市鋳物技術交流センターの副所長として14年、

前職の岩手県工業技術センター時代から56年の長い時間、

いわての鋳物産業にご尽力されました。

研究会の会員企業へもたくさん知恵をお貸しくださいました。

今までどうもありがとうございました。

 

 

 

(株)及富の「スワローポット」がグッドデザイン賞を受賞しました

当研究会会員の(株)及富が

公益財団法人日本デザイン振興会主催のグッドデザイン賞を受賞しました。

 

グッドデザイン賞とは1957年に創設された日本で唯一の

総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。

2021年度は応募総数5,835件のうち、1,608件が受賞しました。

※詳しくは公式HPよりどうぞ。

 

(株)及富の受賞作品は南部鉄器の小型鉄瓶「スワローポット」です。

 

        受賞作品「スワローポット」

 

この商品は38年前に菊地章専務が

当時販売開始直後だったIHヒーターに対応したモダンな鉄瓶を作ろうと

デザインしたものだそうです。

しかし、当時は古典的な形が好まれたこと、

また、作りにくい形であったことからしばらく生産中止していました。

しかし、最近になってSNSで掲載したところ評判を呼び

復刻再販することになりました。

 

審査員の評価は以下のとおりでした。

 

SNSにおいて大反響だったことがきっかけで、

作り手が復刻するに至った点が伝統工芸の新たな姿のように感じられた。

シャープすぎない可愛らしいモダンさがあり、和洋問わずに使えそうな南部鉄器だ。

そして、どこか懐かしさも感じるデザインが使う人の心をゆるやかな気分にしてくれそうだ。

サイズも大きすぎず、重量も重すぎないように工夫されているので、

日常に取り入れやすい点も良い。

注いだ時の水のキレも良く、注ぎ口の作りもしっかりしており、

道具としての機能も好印象だった。

※詳しくはこちらからどうぞ。

 

菊地章専務は

「数ある中からこの鉄瓶を選んでもらえて大変うれしい。

鉄瓶は電気的なものより長持ちで、有事にも強い。

お湯はまろやかになり、鉄分もとれる。

一方で一般的なケトルと取り扱いが異なる点もあるが

それほど大変ではないので

ぜひ一度使ってみてもらいたい。」

と語っていました。

      (株)及富 菊地章専務

 

ご購入はオンラインショップからどうぞ。

令和3年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会・特別講演会を開催しました

令和3年12月8日(水)13:30より、

令和3年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会・特別講演会を開催しました。

 

今回はコロナ感染拡大後初めてのホテル開催となりました

会場の様子

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど24名でした。

 

佐藤輝貴会長は

「鋳造業界は人手不足、材料費高騰、カーボンニュートラルなど

たくさんの問題に直面している。

研究をし、研究会というこの場を活用して前進して行こう。」

と語りました。

佐藤会長((株)根岸工業所 代表取締役社長)

 

今回の発表内容は以下の通りです。

1 岩手鋳機工業(株)  球状化処理における Si値の上昇を抑える処理方法の模索 

2 (株)及精鋳造所 非破壊検査による鋳鉄の材質評価方法の検討

3 (株)水沢鋳工所 作業負荷低減の検討

4岩手製鉄(株) 薄肉ハウジング鋳物の表層における微細欠陥対策

発表の様子

 

発表件数は事情により少な目ではありましたが

それぞれの知見から活発な議論をすることができました。

 

講演の最後に、岩手大学特任教授の小綿利憲先生より

各社へのコメントと激励をいただきました。

 

中間報告会の後、特別講演会として

水沢公共職業安定所統括職業指導官 黒澤勝治氏より

”ハローワーク水沢管内の雇用情勢と人材確保力の向上”

と題して近隣の雇用失業情勢や人材確保について

お話いただきました。

講師の黒澤勝治氏

 

エリアとして若い人材が減少傾向であることのみならず、

大手企業進出などで全体的に人材不足気味であることや

求職者へ興味を持ってもらうためのアピールポイントについて、

また、雇用した後長く務めてもらうために

企業としてどのような取り組みをすべきなのかといった

具体的な話を聞くことができました。

令和3年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を開催しました

令和3年9月13日(月)14:00より、

令和3年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を開催しました。

 

今回はコロナ感染予防対策のため

初めてのオンライン開催となりました。

 

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど30名でした。

 

佐藤輝貴会長は今回、会長になって初めての研究会開催で

「コロナ禍で今まで通りにはいかないが

オンライン開催することで新しい手法に慣れるきっかけになればいいと思う。

人材不足や材料高騰の問題など、今後業界として直面するであろう

この研究会を解決する足掛かりとしてほしい。」

と語りました。

 

今回の発表内容は以下の通りです。

岩手鋳機工業㈱  球状化処理における Si値の上昇を抑える処理方法の模索 

㈱及精鋳造所 非破壊検査による鋳鉄の材質評価方法の検討

㈱水沢鋳工所 プチ改善事例紹介

㈲前田鋳工所  「逆止弁」油漏れ不具合対策

㈱シグマ製作所 私達が進めるPM活動

岩手製鉄㈱ 冷し金の性質調査 薄肉ハウジング鋳物の表層における微細欠陥対策

㈱及富 菊地海人 砂鉄材料の鋳造分析

 

初めてのオンライン開催ではありましたが

発表者の操作・発表に滞りはなく

意見交換も積極的に行われました。

 

講演の最後に、岩手大学特任教授の山田聡先生より

各社へのコメントと激励をいただきました。

 

中間報告会の後、特別講演会として

公益社団法人いわて産業振興センターの福島富士子氏より

”ばえる!各種補助金申請書の書き方ポイント”

と題して補助金申請時の考え方や最近の傾向について

お話いただきました。

 

 

一般的なポイントや鋳造業界ならではの視点について教えていただき、

また、今後申請する際にはご協力いただけるとのことで

とても心強く思いました。

令和3年度いわて鋳造研究会総会・特別講演会を行いました

令和3年6月21日(月)、奥州市鋳物技術交流センター2階第1、第2研修室で

令和3年度いわて鋳造研究会総会・特別講演会を開催しました。

 

昨年度はコロナ感染予防対策のため総会を中止行っておらず

2年ぶりの開催となりました。

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど25名でした。

 

今回で会長職を退任される佐藤会長は

「コロナが落ち着いたら、働き方改革や人手不足の問題がでてくるだろう。

新会長の下で、この研究会を活用し、お客様に愛され、

信頼される会社になるよう頑張ってほしい。」

と語りました。

佐藤会長

 

議事は以下の通りです。

承認第1号 令和2年度いわて鋳造研究会事業報告について

承認第2号 令和2年度いわて鋳造研究会収支決算報告について

監査報告

議案第1号 令和3年度いわて鋳造研究会事業報告(案)について

議案第2号 令和3年度いわて鋳造研究会収支予算(案)について

議案第3号 役員の選出について

 

投票の結果、新たな役員は以下の通りとなりました。

 

新役員

会 長  佐藤 輝貴((株)根岸工業所)

副会長  及川 春樹((株)及春鋳造所)

     田村 直人((株)水沢鋳工所)

幹 事  前田 俊一((有)前田鋳工所)

     前田 亮一((有)前田合金鋳造所)

     及川 篤((株)及泰)

     姿 拓哉(岩手製鉄(株))

会計監事 高橋 一将(岩手鋳機工業(株))

新役員、左端が新会長 佐藤 輝貴氏

 

続いて、「南部鉄器のお話」という題目で岩手大学名誉教授 堀江 皓先生に

特別講演会をしていただきました。

 

堀江 皓先生

 

南部鉄器の作り方や歴史

技術的進歩や問題点について聞き、

改めて南部鉄器の奥深さを感じました。

(株)及富がおもてなしセレクション2021で金賞受賞しました

当研究会所属の株式会社及富が

おもてなしセレクション2021で金賞を受賞しました。

(株)及富 菊池 章専務取締役

 

↓詳しくはこちらからどうぞ

OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション)日本のおもてなしを世界のOMOTENASHIへ (omotenashinippon.jp)

 

おもてなしセレクションは、

日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品・サービスを発掘し、

世界に広めることを目的に、2015年に創設されたアワードです。

民間企業20社以上で運営しており、

認定に際しては、日本在住の外国人有識者による現物審査を実施しています。

 

受賞すると国内外のメディアへプレスリリースや、

パートナー企業の協⼒のもと提携ECサイトでの販売のほか、

百貨店の催事および商業施設でのイベント出店など、

受賞対象の販路開拓の支援を受けられます。

 

今回、受賞した作品は「南部鉄器 令和あられ急須 鍋敷きセット」。

梅の花をモチーフに南部鉄器伝統のあられ模様をあしらったデザインで

白梅からインスピレーションをうけた金地に白のカラーリングが

雅さとモダンさを兼ね備え印象的な仕上がりです。

受賞した令和あられ急須と鍋敷き

 

↓ご購入はこちらからどうぞ。

南部鉄器 急須 令和あられ急須 鍋敷きセット

 

 

 

令和2年度いわて鋳造研究会「成果発表会」・「特別講演会」を開催しました

令和3年3月17日(水)、奥州市鋳物技術交流センター2階第1研修室で

令和2年度いわて鋳造研究会成果報告会を開催しました。

 

今回の成果報告会では7社が研究発表を行う予定でしたが

1社欠席したため、6社の発表となりました。

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど31名でした。

 

    佐藤庄一  会長

 

佐藤庄一会長は

「コロナウイルス蔓延の影響が出ているが

これ以上経済への打撃が出ないとよいと思う。

今後も研究会の活動を活発に続けていってほしい。」

と会員たちを激励しました。

 

続いて行った発表内容は以下のとおりです。

  発表内容 企業
キュポラ操業時における高温出湯の安定化※欠席 岩手鋳機工業(株)
鋳物不良の改善に関わる作業方法の調査 ㈱及精鋳造所
情報伝達手段の改善に向けて ㈱水沢鋳工所
動作分析による工程改善 ㈲前田鋳工所
耐熱コーティング剤 冷し効果の検証 ㈲前田合金鋳造所
社内不良率の低減【自動造型機:SM50V(縦込め)】 (株)シグマ製作所
冷し金の性質調査 岩手製鉄(株)

 

発表の様子

 

1年間の研究成果のまとめであったこと、

また、お互いに参考となる結果や知見が得られたこともあり

今後の研究に役立つ熱い議論が交わされました。

 

各社からの発表の後、

総評として岩手大学 客員教授 (秋田大学 名誉教授)麻生節夫 先生から

「今年度は研究をするのも大変だったと思うが

その中で結果を出せてすばらしい。

今日の成果を踏まえて、次の研究を始めることになるが

専属のアドバイザーだけでなく他のアドバイザーの

指導を受けるなどして研究会を有効活用してほしい。

学会発表できるレベルのもの研究もあるし、

研究会を一つのチームとしてこれからも盛り上げてもらいたい。」

との言葉をいただきました。

 

岩手大学 特任教授 小綿利憲 先生

 

続いて、岩手大学 特任教授 小綿利憲 先生に

“「鋳鉄に対する接種について」~能率学から見た接種~”

というテーマで特別講演をしていただきました。

 

鉄系機械鋳物の場合、組織や湯流れ不良軽減のために

注湯前に接種(主にFe-Si系合金を微量添加する)をしますが、

接種をすればよいというわけではなく

材質、形状、目的によって適正は異なるので

工場ごとに適正値を調査すべきとのことでした。

 

各社とも、新年度もテーマは変わるかもしれませんが

引き続き研究を続けることにしています。