いわて鋳造研究会

いわて鋳造研究会は、南部鉄器の産地として有名な岩手県奥州市を中心に、産学官連携で活動している鋳物企業の研究グループです。

TEL.0197-51-8666

〒023-0132 岩手県奥州市水沢羽田町字明正131

産学官連携

 岩手大学と「いわて鋳造研究会」との連携は昭和57年3月頃発足した「岩手KC会」にさかのぼる。

 岩手KC会は(有)日下レアメタル研究所の支援で、同社技術部長をされていた杉本安一氏が中心となって開催され、水沢地区の主だった鋳物企業が会員として発足した勉強会である。

 この勉強会に岩手大学工学部金属工学科の堀江皓助手が講師として参加したのが岩手大学との連携の始まりである。

 その後、平成14年度に整備された水沢市鋳物技術交流センターの設置準備委員会に堀江皓教授が委員として参画し、同年度に岩手大学と水沢市が相互友好協力協定を締結して本格的な岩手大学との交流が始まった。

 そして、平成15年度に水沢市の政策アドバイザーに就任した堀江教授から以下の3点の提言がなされた。

 ①岩手大学サテライトの誘致
 ②鋳物産業の振興と研究会の設立
 ③岩手大学と水沢市職員との人事交流

 これにより、平成15年度に設立された「いわて鋳造研究会」の技術顧問に堀江教授が委嘱され、平成16年度には奥州市の職員が岩手大学に共同研究員として派遣され、さらに平成17年度には岩手大学工学部附属鋳造技術研究センター水沢サテライトが、平成18年度には同大学大学院工学研究科金型・鋳造工学専攻水沢サテライトが相次いで開設された。

 なお、平成15年度に発足した「いわて鋳造研究会」では、会員企業が年度当初に課題を設定し、水沢サテライトの教授等からなる技術アドバイザーの指導のもとに、各企業が課題解決に取り組んできた。

 この間、会員企業は経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)に提案申請し、平成18年度(1提案)、平成21年度(1提案)、平成23年度(2提案)の各年度に提案が採択され、併せて4提案が採択された。

また、平成21年度には同省の地域イノベーション創出研究開発事業にも1提案が採択されている。これらの研究成果は平成24年10月に盛岡市で開催される日本鋳造工学会第161回全国講演大会で発表を行った。

 また、「いわて鋳造研究会」設置初年度より毎年度、水沢サテライトと連携して奥州市鋳物産業の振興を目的とした講演会を開催し、他地域鋳物企業との交流をめざした先進地鋳物企業視察も行ってきている。

 さらに、各展示会にいわて鋳造研究会の活動を紹介するパネルや鋳物試作品を展示して、広く研究会の活動紹介なども行っている。