12月12日(水)に、平成30年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を開催いたしました。
第2回中間報告会では、各会員企業が、設定した研究課題に関するここまでの進捗状況、行った実験の結果や3月までの予定等について報告し、活発な質疑応答や議論が行われました。
今後は、各会員企業が技術アドバイザーの指導を受けながら、3月の成果発表会に向けて研究のまとめに取り組んでいきます。
発表内容 | 会員企業 | |
1. | 球状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすアンチモン添加の影響 | ㈱及精鋳造所 |
2. | 1カップ熱分析法による球状黒鉛鋳鉄用接種剤の選定 | ㈱水沢鋳工所 |
3. | ブリケットを用いたキュポラ溶解における窒素の影響 | ㈱根岸工業所 |
4. | 鋳造現場におけるアルミニウム合金溶湯品質の調査方法確立 | ㈲前田合金鋳造所 |
5. | 超音波探傷機による球状化率の判定 | ㈲前田鋳工所 |
6. | 生型鋳物砂組成を安定化させるための管理方法の検討 | 岩手鋳機工業㈱ |
7. | 自硬性鋳型に使用する金枠の強度及び構造の検討 | 岩手製鉄㈱ |
特別講演会 | 講師 |
日本鋳造工学会の取組みと中小鋳物企業の飛躍に向けて ―未来のものづくりを考える ロボットとIoT・AIの融合によるものづくり― |
清水一道氏 (国立大学法人室蘭工業大学 大学院工学研究科 教授) (公益社団法人日本鋳造工学会 副会長) |
中間報告会の後は、国立大学法人室蘭工業大学教授の清水一道氏を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
まず、北海道の大学は鋳造分野を含め、再編・統合に向けた動きがあることや、北海道の鋳造企業数も年々減少傾向にある、といった北海道の鋳造業界の現状について説明していただきました。
このような中で、人や仕事を道外から呼び込むためには、全国区で注目されるような取り組みをどんどん行っていかなければならないと話されていました。その一例として、室蘭工大が冬季オリンピック競技「スケルトン」で使用するそりを、クラウドファンディングで資金を調達し開発したことなど、地域活性化のための地元と密着した積極的な取り組みを紹介していただきました。
その他にも、鋳造プロセスへのX線CTの適用、鋳造工場のIoT化の事例や、産官学金連携で行っている「ものづくり目利き塾」等の人材育成の取り組み、また以前にもご講演をしていただいた「鋳物シンジケート」や「シップリサイクル」についても、その後の現状報告をしていただきました。
ものづくりにおいて大切なのは、能力・環境・モチベーション、そしてなにより「熱」であること、「熱」は高い所から低い所に流れるので、良い人や仕事を呼び込んで企業が飛躍するためには熱い情熱と信念を持つことが大切である、ということを「熱く」語られていました。
特別講演会終了後には情報交流会を行い、講演で聞けなかった話や意見を交換しながら、親睦を深めました。