3月18日(月)に、平成30年度いわて鋳造研究会成果発表会を開催いたしました。
成果発表会では、この一年間の研究成果について各会員企業が報告、若手技術者を中心に活発な質疑応答や議論が行われました。
発表内容 | 会員企業 | |
1. | 球状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすアンチモン添加の影響 | ㈱及精鋳造所 |
2. | 1カップ熱分析法による球状黒鉛鋳鉄用接種剤の選定 | ㈱水沢鋳工所 |
3. | 片状黒鉛鋳鉄に及ぼす窒素の影響 | ㈱根岸工業所 |
4. | 鋳造現場におけるアルミニウム合金溶湯品質の調査方法確立 | ㈲前田合金鋳造所 |
5. | コールドボックス法から有機CO2ガス法への変更 | ㈲佐酉 |
6. | 超音波探傷機による球状化率の判定 | ㈲前田鋳工所 |
7. | 生型鋳物砂組成を安定化させるための管理方法の検討 | 岩手鋳機工業㈱ |
8. | 自硬性鋳型に使用する金枠の強度及び構造の検討 | 岩手製鉄㈱ |
9. | 3D技術を活用した鉄瓶ZAKU商品開発秘話 | ㈱及富 |
発表後には、岩手大学の小綿利憲特任教授に総評をしていただきました。
各会員企業の発表について講評していただいた後、「将来、研究会の20周年記念誌に載せたり、学会誌に投稿することができるように、ぜひ発表を文章の形でも残してほしい」と話されていました。
また、「研究会は参加企業のための会であり、今後もそれぞれの企業のためになる研究を積極的にしてほしい」と激励をいただきました。
特別講演会 | 講師 |
もうひとつの鋳鉄 | 麻生節夫氏 (国立大学法人秋田大学大学院 理工学研究科 物質科学専攻 材料理工学コース 教授) |
成果発表会の後は、国立大学法人秋田大学の麻生節夫教授を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
始めに麻生教授のこれまでのご経歴について、その後は主に専門分野である「白鋳鉄」についてのご講演をしていただきました。
鋳鉄の中での白鋳鉄の分類、機械部品に使われる高クロム白鋳鉄の特徴と機械的性質、麻生教授のこれまで行ってきた共同研究などの内容をお話しされました。
また、麻生教授は今年度で秋田大学を定年退職されますが、来年度からは岩手大学鋳造技術研究センター 水沢サテライトの客員教授に着任され、当研究会の技術顧問として、これからお世話になることになります。
特別講演会終了後は情報交流会を行いましたが、当研究会の技術顧問として5年間にわたりお世話になった岩手大学の中澤友一特任教授が、今年度で任期満了につき退職されるということで、花束を贈り、退任のごあいさつをいただきました。
今年度は、日本鋳造工学会東北支部大会への開催協力、会員の大平賞受賞など、東北の中で当研究会の存在感を発揮することのできた一年となりました。
来年度も、いわて鋳造研究会をよろしくお願いいたします。