いわて鋳造研究会

いわて鋳造研究会は、南部鉄器の産地として有名な岩手県奥州市を中心に、産学官連携で活動している鋳物企業の研究グループです。

TEL.0197-51-8666

〒023-0132 岩手県奥州市水沢羽田町字明正131

令和元年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を行いました。

令和元年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を行いました。

 9月12日(木)に、令和元年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会を開催いたしました。

 

 第1回中間報告会では、今年度の研究テーマの内容やここまでの進捗状況について報告が行われ、活発な質疑応答が行われました。
 今後は、各社が技術アドバイザーの指導を受けながら、12月の第2回中間報告会、そして3月の成果発表会を目指して研究を進めていきます。

 

  発表内容 企業
1. 球状黒鉛鋳鉄の機械的性質に及ぼすアンチモン添加の影響 ㈱及精鋳造所
2. FC250 保安部品の不良対策 岩手鋳機工業㈱
3. 球状黒鉛鋳鉄のひけ性に及ぼすZrとAlの影響 ㈱水沢鋳工所
4. 塗型の乾燥状態による銅合金金属組織への影響 ㈲前田合金鋳造所
5. 押し湯方案の最適化 ㈲前田鋳工所
6. 高マンガン高強度片状黒鉛鋳鉄における肉厚感受性 ㈱根岸工業所
7. 冷し金の性質調査 岩手製鉄㈱
8. 原点に返ったものづくりと消費者視点での性能向上に沿った研究開発の実施 ㈱及富

 

特別講演会 講師
金属積層造形について 黒須信吾氏
(岩手県工業技術センター 素形材プロセス技術部 主任専門研究員)

 

 中間報告会の後は、岩手県工業技術センター主任専門研究員の黒須信吾氏を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
 まず、3Dプリント技術はものづくりの分類で「付加加工」に当たり、1990年代には「試作ツール(Rapid Prototyping, RP)」として注目されていたのが、現在では「製造ツール(Additive Manufacturing, AM)」として広く用いられるまでに発展してきた、といった概観のところから丁寧にご説明していただきました。
 次に、AM技術の分類とそれぞれの特徴や、岩手県工業技術センターの保有する「レーザービーム積層造形装置」「電子ビーム積層造形装置」という2種類の金属積層造形装置について、装置スペックや製造工程を比較しながらわかりやすくご説明していただきました。また、過去の共同研究で、金属粉末積層造形により高機能化した鉄瓶の例などもご紹介していただきました。
 そして、従来加工技術(鋳造・機械加工)と比較した金属積層造形のメリット・デメリット、ものづくりに金属積層造形をうまく取り入れ、活用していくためのポイントについてもお話ししていただきました。
 現状では、金属積層造形法は限られた分野の製品(高付加価値製品)での適応で、一般工業製品にも同じように適応していくのは極めて難しいが、装置や材料、ソフトウェアなどの開発・研究は確実に進歩しているので、現状を理解した上で多くの人が知恵を出し合ってアイディアを創生し、研究や実験で育てていくことが必要である、と語られていました。

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 水沢鋳物工業協同組合前理事長で、当研究会前副会長である及川勝比古氏が、報告会当日の早朝にご逝去されました。

 当研究会の発展にご尽力された故人のご冥福を祈り、開会前に出席者全員で黙祷を捧げました。

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