いわて鋳造研究会

いわて鋳造研究会は、南部鉄器の産地として有名な岩手県奥州市を中心に、産学官連携で活動している鋳物企業の研究グループです。

TEL.0197-51-8666

〒023-0132 岩手県奥州市水沢羽田町字明正131

研究会のニュース

令和4年度いわて鋳造研究会成果報告会・特別講演会を実施しました

令和5年3月16日(木)13:30より、

令和4年度いわて鋳造研究会成果報告会・特別講演会を

水沢サンパレスホテルで開催しました。

会場の様子

 

会員や顧問、アドバイザーなど23名が参加しました。

 

佐藤輝貴会長からは

「今年はいわて鋳造研究会の設立20周年式典が控えている。

電気代や材料費の高騰、人手不足、大手企業のベースアップなど

中小企業を取り巻く環境は厳しい。

しかし、研究を行うことで実力をつけ、

働く人に選んでもらえる魅力ある企業になろう。」

との挨拶がありました。

 

続いて、本年度から始めた材質試験についての最終報告が行われました。

当研究会の約10年前のデータと比較すると、

原材料比が変わったことから不純物元素が減り

機械的性質は同等、もしくは若干良くなっている事が分かりました。

 

本年度の成果報告会の発表内容は以下の通りです。

1  岩手鋳機工業(株) 設備と不良の関係性について

2  (株)及精鋳造所 肉厚の異なる球状黒鉛鋳鉄の組織と機械的性質に及ぼすSn添加の影響

3  岩手製鉄(株) 自動造型ラインにおけるインライン球状化判定の方式更新検討

4 (株)及富 生型鉄瓶の鋳造欠陥と対策

 

発表の様子

 

発表の最後に、総評として岩手大学特任教授の小綿利憲先生より

各社への研究会の活動へ激励をいただきました。

 

小綿 利憲 先生 

 

特別講演会では「よい鋳物を作るには、製造工程管理が大切」と題して

当研究会技術顧問の岩手大学鋳造技術研究センター 山田聡先生にご講演いただきました。

 

山田 聡 先生

 

データをグラフ化することで何がわかり、

それをどう生かすのかという考え方や

実際に先生が携われた実験事例などについて解説いただきました。

一つ一つ小さな改善を積み上げ

堅実な成果に結びつける事の大事さを

改めて実感しました。

令和4年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を開催しました

令和4年10月5日(水)14:00より、

令和4年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を

奥州市鋳物技術交流センター2階会議室で開催しました。

会場の様子

 

会員や顧問、アドバイザーなど24名が参加しました。

 

佐藤輝貴会長から

「いわて鋳造研究会は今年で20周年。

鋳造業界は材料費や電気代の高騰、人手不足などの問題がたくさんある。

一方、海外発注されていた仕事の日本への回帰で仕事の受注は盛況。

研究や勉強を行い、この転換期を乗り越えよう。」

との挨拶がありました。

 

特別講演会では「ICTの鋳造分野への応用」と題して

地方独立行政法人岩手県工業技術センター 電子情報システム部主査専門研究員

菊池 貴 氏にご講演いただきました。

講師の菊池貴氏

 

講演では県内企業へのICT導入事例について聞かせていただきました。

一般的に鋳造分野ではICT導入は難しいといわれていますが、

今回の発表内容には研究会のメンバー企業で行った事例もあり

また、手ごろな価格からチャレンジ出来そうとのことで

講演後も個別に質問をする様子が見られました。

 

講演会の後、本年度1回目の中間報告会を行いました。

今回の発表内容は以下の通りです。

 

1 岩手鋳機工業(株)   設備と不良の関係性について

2 (株)及精鋳造所 肉厚の異なる球状黒鉛鋳鉄の組織と機械的性質に及ぼすSn添加の影響

3 岩手製鉄(株) 自動造型ラインにおけるインライン球状化判定の方式更新検討

4(株)水沢鋳工所 中小企業再編成の必要性

 

発表の様子

 

今回は令和4年度の予定についての発表がメインでしたが

それぞれの知見から活発な議論が行われました。

 

発表の最後に、岩手大学客員教授(秋田大学名誉教授)の麻生節夫先生より

各社へのコメントと激励をいただきました。併せて、最近JIS規格の改定があった鋳鋼について情報提供いただきました。

 

また、今年度は新たに各社の鋳鉄材質検査を行うことにしました。

この検査は各社より鋳鉄のサンプルを集め、

奥州市鋳物技術交流センターにある装置を使い

溶湯の化学組成や強度試験などを行い材質を総合的に評価するものです。

この取り組みは研究会発足当時に行われていたましたが、

近年、材料や装置など変化してきていることにより再開することになりました。

 

検査を行うにあたり、

この検査の重要性や注目する点、

結果より得られるデータの見方など

岩手大学名誉教授の堀江皓先生より解説いただきました。

とても勉強になりました。

 

堀江皓 岩手大学名誉教授

 

令和3年度いわて鋳造研究会成果発表会をしました

令和4年3月16日(水)13:00より、

令和3年度いわて鋳造研究会成果発表会を開催しました。

 

今回はコロナ感染拡大防止対策としてホテル会場とオンラインでの

ハイブリッド開催となりました

会場の様子

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど24名でした。

 

佐藤輝貴会長は

「鋳造業界は人材不足が続いており

仕事はあるのに引き受けられない状況になっている。

また、材料費が高騰し、値上げ交渉をしても追いつけない。

今日の研究がそれらの問題をすぐ解決するものではないと思うが

研究を進める事が魅力ある会社づくりにつながり、

そこから人材の確保や材料費高騰の対策などになると信じて

研究を頑張っていこう。」

と語りました。

佐藤会長((株)根岸工業所 代表取締役社長)

 

今回の発表はすべてオンラインでした。

発表企業と内容は以下のとおりです。

1㈱及精鋳造所 非破壊検査による鋳鉄の材質評価方法の検討

2岩手鋳機工業㈱  球状化処理における Si値の上昇を抑える処理方法の模索

3(株)シグマ製作所 私たちが進めるPM活動

4岩手製鉄㈱ 薄肉ハウジング鋳物の表層における微細欠陥対策

5(株)及富 砂鉄銑鉄瓶の製造試験

 

発表件数は事情により少なめではありましたが

それぞれの特色が出ている発表となりました。

 

講演の最後に、奥州市鋳物技術交流センターの米倉勇雄副所長より

各社への総評をいただきました。

 

米倉副所長は令和3年度で退職されることも

併せて発表されました。

米倉奥州市鋳物技術交流センター副所長

 

米倉副所長は奥州市鋳物技術交流センターの副所長として14年、

前職の岩手県工業技術センター時代から56年の長い時間、

いわての鋳物産業にご尽力されました。

研究会の会員企業へもたくさん知恵をお貸しくださいました。

今までどうもありがとうございました。

 

 

 

(株)及富の「スワローポット」がグッドデザイン賞を受賞しました

当研究会会員の(株)及富が

公益財団法人日本デザイン振興会主催のグッドデザイン賞を受賞しました。

 

グッドデザイン賞とは1957年に創設された日本で唯一の

総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。

2021年度は応募総数5,835件のうち、1,608件が受賞しました。

※詳しくは公式HPよりどうぞ。

 

(株)及富の受賞作品は南部鉄器の小型鉄瓶「スワローポット」です。

 

        受賞作品「スワローポット」

 

この商品は38年前に菊地章専務が

当時販売開始直後だったIHヒーターに対応したモダンな鉄瓶を作ろうと

デザインしたものだそうです。

しかし、当時は古典的な形が好まれたこと、

また、作りにくい形であったことからしばらく生産中止していました。

しかし、最近になってSNSで掲載したところ評判を呼び

復刻再販することになりました。

 

審査員の評価は以下のとおりでした。

 

SNSにおいて大反響だったことがきっかけで、

作り手が復刻するに至った点が伝統工芸の新たな姿のように感じられた。

シャープすぎない可愛らしいモダンさがあり、和洋問わずに使えそうな南部鉄器だ。

そして、どこか懐かしさも感じるデザインが使う人の心をゆるやかな気分にしてくれそうだ。

サイズも大きすぎず、重量も重すぎないように工夫されているので、

日常に取り入れやすい点も良い。

注いだ時の水のキレも良く、注ぎ口の作りもしっかりしており、

道具としての機能も好印象だった。

※詳しくはこちらからどうぞ。

 

菊地章専務は

「数ある中からこの鉄瓶を選んでもらえて大変うれしい。

鉄瓶は電気的なものより長持ちで、有事にも強い。

お湯はまろやかになり、鉄分もとれる。

一方で一般的なケトルと取り扱いが異なる点もあるが

それほど大変ではないので

ぜひ一度使ってみてもらいたい。」

と語っていました。

      (株)及富 菊地章専務

 

ご購入はオンラインショップからどうぞ。

令和3年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会・特別講演会を開催しました

令和3年12月8日(水)13:30より、

令和3年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会・特別講演会を開催しました。

 

今回はコロナ感染拡大後初めてのホテル開催となりました

会場の様子

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど24名でした。

 

佐藤輝貴会長は

「鋳造業界は人手不足、材料費高騰、カーボンニュートラルなど

たくさんの問題に直面している。

研究をし、研究会というこの場を活用して前進して行こう。」

と語りました。

佐藤会長((株)根岸工業所 代表取締役社長)

 

今回の発表内容は以下の通りです。

1 岩手鋳機工業(株)  球状化処理における Si値の上昇を抑える処理方法の模索 

2 (株)及精鋳造所 非破壊検査による鋳鉄の材質評価方法の検討

3 (株)水沢鋳工所 作業負荷低減の検討

4岩手製鉄(株) 薄肉ハウジング鋳物の表層における微細欠陥対策

発表の様子

 

発表件数は事情により少な目ではありましたが

それぞれの知見から活発な議論をすることができました。

 

講演の最後に、岩手大学特任教授の小綿利憲先生より

各社へのコメントと激励をいただきました。

 

中間報告会の後、特別講演会として

水沢公共職業安定所統括職業指導官 黒澤勝治氏より

”ハローワーク水沢管内の雇用情勢と人材確保力の向上”

と題して近隣の雇用失業情勢や人材確保について

お話いただきました。

講師の黒澤勝治氏

 

エリアとして若い人材が減少傾向であることのみならず、

大手企業進出などで全体的に人材不足気味であることや

求職者へ興味を持ってもらうためのアピールポイントについて、

また、雇用した後長く務めてもらうために

企業としてどのような取り組みをすべきなのかといった

具体的な話を聞くことができました。

令和3年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を開催しました

令和3年9月13日(月)14:00より、

令和3年度いわて鋳造研究会第1回中間報告会・特別講演会を開催しました。

 

今回はコロナ感染予防対策のため

初めてのオンライン開催となりました。

 

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど30名でした。

 

佐藤輝貴会長は今回、会長になって初めての研究会開催で

「コロナ禍で今まで通りにはいかないが

オンライン開催することで新しい手法に慣れるきっかけになればいいと思う。

人材不足や材料高騰の問題など、今後業界として直面するであろう

この研究会を解決する足掛かりとしてほしい。」

と語りました。

 

今回の発表内容は以下の通りです。

岩手鋳機工業㈱  球状化処理における Si値の上昇を抑える処理方法の模索 

㈱及精鋳造所 非破壊検査による鋳鉄の材質評価方法の検討

㈱水沢鋳工所 プチ改善事例紹介

㈲前田鋳工所  「逆止弁」油漏れ不具合対策

㈱シグマ製作所 私達が進めるPM活動

岩手製鉄㈱ 冷し金の性質調査 薄肉ハウジング鋳物の表層における微細欠陥対策

㈱及富 菊地海人 砂鉄材料の鋳造分析

 

初めてのオンライン開催ではありましたが

発表者の操作・発表に滞りはなく

意見交換も積極的に行われました。

 

講演の最後に、岩手大学特任教授の山田聡先生より

各社へのコメントと激励をいただきました。

 

中間報告会の後、特別講演会として

公益社団法人いわて産業振興センターの福島富士子氏より

”ばえる!各種補助金申請書の書き方ポイント”

と題して補助金申請時の考え方や最近の傾向について

お話いただきました。

 

 

一般的なポイントや鋳造業界ならではの視点について教えていただき、

また、今後申請する際にはご協力いただけるとのことで

とても心強く思いました。

令和3年度いわて鋳造研究会総会・特別講演会を行いました

令和3年6月21日(月)、奥州市鋳物技術交流センター2階第1、第2研修室で

令和3年度いわて鋳造研究会総会・特別講演会を開催しました。

 

昨年度はコロナ感染予防対策のため総会を中止行っておらず

2年ぶりの開催となりました。

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど25名でした。

 

今回で会長職を退任される佐藤会長は

「コロナが落ち着いたら、働き方改革や人手不足の問題がでてくるだろう。

新会長の下で、この研究会を活用し、お客様に愛され、

信頼される会社になるよう頑張ってほしい。」

と語りました。

佐藤会長

 

議事は以下の通りです。

承認第1号 令和2年度いわて鋳造研究会事業報告について

承認第2号 令和2年度いわて鋳造研究会収支決算報告について

監査報告

議案第1号 令和3年度いわて鋳造研究会事業報告(案)について

議案第2号 令和3年度いわて鋳造研究会収支予算(案)について

議案第3号 役員の選出について

 

投票の結果、新たな役員は以下の通りとなりました。

 

新役員

会 長  佐藤 輝貴((株)根岸工業所)

副会長  及川 春樹((株)及春鋳造所)

     田村 直人((株)水沢鋳工所)

幹 事  前田 俊一((有)前田鋳工所)

     前田 亮一((有)前田合金鋳造所)

     及川 篤((株)及泰)

     姿 拓哉(岩手製鉄(株))

会計監事 高橋 一将(岩手鋳機工業(株))

新役員、左端が新会長 佐藤 輝貴氏

 

続いて、「南部鉄器のお話」という題目で岩手大学名誉教授 堀江 皓先生に

特別講演会をしていただきました。

 

堀江 皓先生

 

南部鉄器の作り方や歴史

技術的進歩や問題点について聞き、

改めて南部鉄器の奥深さを感じました。

(株)及富がおもてなしセレクション2021で金賞受賞しました

当研究会所属の株式会社及富が

おもてなしセレクション2021で金賞を受賞しました。

(株)及富 菊池 章専務取締役

 

↓詳しくはこちらからどうぞ

OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション)日本のおもてなしを世界のOMOTENASHIへ (omotenashinippon.jp)

 

おもてなしセレクションは、

日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品・サービスを発掘し、

世界に広めることを目的に、2015年に創設されたアワードです。

民間企業20社以上で運営しており、

認定に際しては、日本在住の外国人有識者による現物審査を実施しています。

 

受賞すると国内外のメディアへプレスリリースや、

パートナー企業の協⼒のもと提携ECサイトでの販売のほか、

百貨店の催事および商業施設でのイベント出店など、

受賞対象の販路開拓の支援を受けられます。

 

今回、受賞した作品は「南部鉄器 令和あられ急須 鍋敷きセット」。

梅の花をモチーフに南部鉄器伝統のあられ模様をあしらったデザインで

白梅からインスピレーションをうけた金地に白のカラーリングが

雅さとモダンさを兼ね備え印象的な仕上がりです。

受賞した令和あられ急須と鍋敷き

 

↓ご購入はこちらからどうぞ。

南部鉄器 急須 令和あられ急須 鍋敷きセット

 

 

 

令和2年度いわて鋳造研究会「中間報告会」・「特別講演会」を開催しました

令和2年12月16日(水)、奥州市鋳物技術交流センター2階第1研修室で

令和2年度いわて鋳造研究会中間報告会を開催しました。

 

今回の中間報告会では7社が研究発表を行う予定でしたが

大雪で3社欠席したため、4社の発表となりました。

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど約25名でした。

 

     佐藤庄一  会長

 

佐藤庄一会 長は

「働き方改革や人材不足により仕事の中身が変わりつつある。

さらに、アフターコロナに備えなければならない。

様々なことを学び、同業他社と横のつながりを持つなどして

頑張ってもらいたい。」

と会員たちを激励しました。

 

続いて行った発表内容は以下の通りです。

  発表内容 企業
キュポラ操業時における高温出湯の安定化 岩手鋳機工業㈱
鋳物不良の改善に関わる作業方法の調査 ㈱及精鋳造所
球状黒鉛鋳鉄の伸びとひけ性に及ぼすZrとAlの影響※欠席 ㈱水沢鋳工所
動作分析による工程改善※欠席 ㈲前田鋳工所
耐熱コーティング剤 冷し効果の検証※欠席 ㈲前田合金鋳造所
社内不良率の低減【自動造型機:SM50V(縦込め)】 (株)シグマ製作所
冷し金の性質調査 岩手製鉄(株)

 

発表の様子

 

発表時間は10分、質疑応答時間は5分と短い時間でしたが

不良対策、品質向上、業務改善などの内容で各社発表を行い、

今後の研究に役立つ熱い議論が交わされました。

 

各社からの発表の後、総評として岩手大学 名誉教授 堀江皓 先生から

「会社のための研究ではあるが、課題を解決することで

従業員や地域貢献にもなる。

研究した結果を発表し、企業内に周知する。

さらには学会発表や論文にまとめてほしい。」

との言葉をいただきました。

 

岩手大学 教授 平塚貞人 先生

 

続いて、岩手大学 教授 平塚貞人 先生に

“最近の鋳造技術と鋳物業界動向”

というテーマで特別講演をしていただきました。

 

最近10年間、鋳鉄関係はほとんど新たな動きはないとしつつも、

国内企業の研究開発、全国の研究活動事例、産学連携、岩手大学における研究など

広い内容でお話しくださいました。

 

各社とも、引き続き研究を続けることにしています。

次回いわて鋳造研究会の中間報告会は3月の予定です。

 

第4回会員企業工場見学(株式会社及富)を行いました

令和2年11月11日(水)、第4回会員企業見学会として

株式会社及富へ行ってきました。

 

株式会社及富HPは こちら からどうぞ。

※写真は(株)及富オンラインショップよりお借りしました。

 

株式会社及富は嘉永元年(1848年)創業の伝統ある南部鉄器工場で

・鉄瓶、急

・風鈴

・鉄鍋

などの製造販売をしています。

 

今回参加したのは4社と岩手大学関係、および事務局の計11名でした。

 

初めにいわて鋳造研究会 佐藤庄一会長が挨拶をし、

その後及富の菊地海人アートディレクターに

工場の中を案内していただきました。

及富の菊地アートディレクターから説明を受ける参加者たち

 

及富の最近発売した商品の中で、

もっとも反響が大きかった「南部鉄玉 アマビエ」は

開発から販売開始までなんと2週間で行ったそう。

菊地アートディレクターは

「デザイン、型作りから鋳造、仕上げ、発送まで

すべて自社で行えるからできること。」とおっしゃっていました。

 

及富では南部鉄器の新しいジャンルとして

音楽の分野に注目しており、

エレキギターのエフェクター(音質を変える機械)を共同開発している

合同会社 福嶋圭次郎の福嶋圭次郎代表取締役からも

話を聞くことができました。

電機部品の入っている箱を南部鉄器で作ると

重厚感があるとても良い音が鳴るそうで

参加者一同とても驚きました。

 

合同会社福嶋圭次郎(kgr harmony)HPはこちらからどうぞ。

福嶋代表取締役の説明を聞く参加者たち

 

技術的なもの、南部鉄器のこれからについてなど

広い内容について質疑応答をし、

最後に参加者代表として水田鋳造所 水田和博代表取締役社長から

お礼の言葉をお伝えし工場見学は終了しました。

参加者全員で集合写真

 

故 及川勝比古氏が日本鋳造協会 協会功労賞を受賞しました

当研究会会員の

株式会社水沢鋳工所の故 及川勝比古前代表取締役社長が

日本鋳造協会の2020年度協会賞の協会功労賞を受賞しました。

 

この賞は日本鋳造協会が毎年、

多年にわたり協会の事業運営並びに組織強化などに

特別の功労をした方へ送っているものです。

 

故 及川氏の受賞は水沢鋳物工業組合の前理事長としての

実績を評価されたものです。

 

功績に対し敬意を表します。

 

くわしくはこちら(日本鋳造協会HP)からどうぞ

 

第41回南部鉄器まつりをオンラインで開催します

 

 

2020年11月21日(土)~23日(月・祝)の3日間、

オンラインで「第41回奥州市南部鉄器まつり」が開催されます。

 

毎年秋に開催していた南部鉄器まつりですが

新型コロナウイルス感染拡大防止のため

奥州市鋳物技術交流センターでの開催は中止ととなり

その代わりにオンライン販売を中心に開催することになりました。

 

今年のテーマは

”元気の輪をつなげる南部鉄器~新時代へ伝統工芸の新たな挑戦開始!~”。

そんな思いを込めて今年限りの南部鉄器を5割引き販売します。

 

南部鉄器まつりには当研究会会員の

(株)及精鋳造所

(有)及春鋳造所

も出店しています。

ぜひご参加ください。

 

●南部鉄器について知りたい方は⇒水沢鋳物工業協同組合HPまたはまいにち鉄器を検索

 ※南部鉄器まつり特設ページへは水沢鋳物工業組合HPバナーからどうぞ。

 

●南部鉄器を購入したい(通常価格)方は⇒水沢鋳物工業協同組合【オンラインショップ】

 

 

 

(株)及富がCasting Of The Year2020を受賞しました

当研究会会員の(株)及富が”Casting Of The Year2020”を受賞しました。

Casting Of The Yearは日本鋳造工学会が2012年に創設した賞で、

製 品(部品)として、新たな形状・寸法(設変を含む)あるいは

新材質、新プロセスによって製造販売された鋳物の内から、

優秀鋳物製品(部品)を毎年2,3件選定して授与しています。

 

 

    受賞した「南部鉄瓶ゴジラ」

 

今回、受賞したのは「南部鉄瓶ゴジラ」。

映画「ゴジラ」シリーズに出演していた俳優 宝田 明氏の

芸能生活65周年を記念して作られました。

この「南部鉄瓶ゴジラ」は従来の木型を使う鉄瓶とは違い

”ロストワックス法”を使うことで

伝統技術を守りつつ斬新な形状の鉄瓶を作った点で

評価されました。

 

          表彰式の様子

 

表彰式には、日本鋳造工学会 清水一道会長(室蘭工業大学教授)が

同社を訪れ、及川一郎社長へ表彰状と盾を手渡しました。

及川社長は

「今までいろいろな商品を作って来たが、

このような名誉ある賞をいただき、社員の励みにもなる。」

と語りました。

また、同社の菊地章専務は

「(南部鉄瓶ゴジラは)何度も試行錯誤を重ねて完成した作品。

地域の子供たちにこの町にもびっくりするような夢のあるものを

作っている大人がいることを知ってほしい。」

と願っていました。

 

      左から清水会長、及川社長、菊地専務

 

(株)及精鋳造所の技術報告が学会誌に掲載されました

公益社団法人日本鋳造工学会で発行している

「鋳造工学」9月号(第92巻(2020)第9号)に

本研究会所属の(株)及精鋳造所の細川光さん、及川敬一さん、

技術顧問の岩手大学の小綿利憲特任教授、平塚貞人教授による技術報告が掲載されました。

 

テーマは

『高CE値をもつ南部鉄器製造溶湯へのSb,Mn添加による機械部品製造技術の開発』

です。

 

この報告は、鋳造工学会の令和元年度の技術賞を受賞した内容をまとめたものとのことです。

ご興味がある方は鋳造工学会誌第92巻(2020)第9号をご覧ください。

 

 

令和元年度成果報告会を行いました

令和2年8月26日(水)、奥州市鋳物技術交流センター2階第1研修室で

令和元年度いわて鋳造研究会成果発表会を開催しました。

 

成果発表会は毎年6月に行っていましたが

新型コロナウィルスの影響で延期となっていました。

 

また、例年9月には中間報告会を行っていますが

時期が近くなってしまったため

今回はそれも併せた内容で行いました。

 

   

挨拶をする佐藤 庄一会長

 

出席者は会員や顧問、アドバイザーなど約30名。

 

佐藤庄一会長は

「新型コロナウィルスの影響で経済の先行きが不透明ではあるが

企業として生き残るためには品質が大事。

研究をすることで品質を上げ、生き残れる会社を目指そう。」

と会員たちを激励しました。

 

続いて行った発表内容は以下の通りです。

  発表内容 企業
1. FC250保安部品の不良対策 岩手鋳機工業㈱
2. 製品情報の見える化 ㈱水沢鋳工所
3.

Mn含有量の異なる片状黒鉛鋳鉄のチル化傾向と機械的性質に及ぼす炭素当量及び冷却速度の影響

㈱根岸工業所
4. 押し湯方案の最適化 ㈲前田鋳工所
5. 強度不足不適合の原因調査 ㈲前田合金鋳造所
6. 冷し金の性質調査 岩手製鉄㈱
7. 片状黒鉛鋳鉄の黒鉛形状に及ぼす要因の検討 ㈱及精鋳造所

 

質疑応答の様子

 

発表時間は10分、質疑応答時間は5分と短い時間でしたが

不良対策、品質向上、業務改善などの内容で各社発表を行い、

熱い議論が交わされました。

 

発表の中にはこの研究会で取り組んだことで

設計の問題が明らかになり不利益を回避できた案件なども紹介され

意義のある研究会であることが実感できました。

 

岩手大学 教授 平塚 貞人先生

 

発表の最後に岩手大学の平塚 貞人教授より

各社の研究内容に対して学術的視点からのアドバイスや知見、

研究会全体の内容について総評をいただきました。

 

科学技術振興機構 佐藤 利雄 氏

 

岩手大学 客員教授 堀江 皓 先生

 

その他、科学技術振興機構の佐藤利雄氏より

「T-MJSNTの活動について~T-MJSNTの参加機関は東北経産局、東北総合通信局(SCOPE)、NICT,NEDO,JST,中小機構東北本部で活動~」と題して補助制度の説明を、

岩手大学客員教授の堀江 皓先生から

「日本鋳造協会人材育成事業「鋳造カレッジ」の紹介と「東北地区鋳造カレッジ」開催予定」と題して来年度予定している人材育成事業の紹介をしていただきました。

 

各社とも、本年度も研究を続けることにしています。

次回いわて鋳造研究会の中間報告会は12月の予定です。

 

鋳造工学会誌に会員の及川敬一氏のインタビューが掲載されました

公益社団法人日本鋳造工学会が発行している

「鋳造工学」2020年3月号インタビュー鋳物人コーナーに

本研究会会員の(株)及精鋳造所 及川敬一代表取締役社長が掲載されました。

ぜひご一読ください。

 

内容はこちらから→インタビュー鋳物人及川敬一

※日本鋳造工学会に掲載許可済み(2020,04,16)

 

令和元年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を行いました。

 12月10日(火)に、令和元年度いわて鋳造研究会第2回中間報告会を開催いたしました。

 

 第2回中間報告会では、各会員企業が、設定した研究課題に関するここまでの進捗状況、行った実験の結果や3月までの予定等について報告し、活発な質疑応答が行われました。
 今後は、各会員企業が技術アドバイザーの指導を受けながら、3月の成果発表会に向けて研究のまとめに取り組んでいきます。

 

  発表内容 企業
1. 片状黒鉛鋳鉄の黒鉛形状に及ぼす要因の検討 ㈱及精鋳造所
2. FC250 保安部品の不良対策 岩手鋳機工業㈱
3. 球状黒鉛鋳鉄のひけ性に及ぼすZrとAlの影響 ㈱水沢鋳工所
4. 強度不足不適合の原因調査 ㈲前田合金鋳造所
5. 押し湯方案の最適化 ㈲前田鋳工所
6. 高マンガン高強度片状黒鉛鋳鉄における肉厚感受性 ㈱根岸工業所
7. 冷し金の性質調査 岩手製鉄㈱

 

特別講演会 講師
ザク巣など鋳造欠陥の正体とその対策
  ~効率的な不良対策を目指して~
竹本義明氏
(TCT Casting Technologies 代表)

 

 中間報告会の後は、TCT Casting Technologies 代表の竹本義明氏を講師に迎え、特別講演会を開催いたしました。
 ダクタイル鋳物内部に生じる「ザク巣」は、加工後に発見されることも多い厄介な鋳造欠陥です。通常は押湯など引け巣用の対策を講じることで防ぐことができますが、複雑形状の鋳物だと、それだけでは直らないものもあります。
 そのような場合は、そもそもザク巣状の欠陥を全て「引け巣」と判断して対処しているのに問題があるのではないかと考え、電子顕微鏡FE-EPMAを用いた「被膜観察法」で欠陥生成過程を詳細に分析し、欠陥生成の「真の原因」を明らかにすることで、より効率的な対策法を見つけ出したという研究について、ご講演していただきました。
 電子顕微鏡画像を用いて、被膜の生成や気泡の巻き込みの様子をわかりやすくご説明いただいたり、実際にザク巣の出た鋳物の対策事例もご紹介していただきました。その中で、従来の押湯や冷金はいわば「臭い物に蓋をする」的な対処法でもあるので、本来はその「臭い物=真の原因」を突き止めて無くすことこそが大事なのではないかと語られていました。
 また、竹本顧問は以前、岩手大学鋳造技術研究センターの特任教授で、当研究会の技術顧問も務めていただいたため、当研究会のことをよくご存じの方です。久しぶりの再会に会員たちも皆喜び、旧交を温める良い機会となりました。

 特別講演会終了後は情報交流会を行いましたが、「伝統的工芸品産業の振興に関し顕著な功労があった個人等」に贈られる「令和元年度 伝統的工芸品産業功労者等 東北経済産業局長表彰」を、岩手県南部鉄器協同組合連合会 元副会長で、会員企業の株式会社及精鋳造所の及川敬会長が受賞されたため、花束をお贈りし皆でお祝いしました。